バレエという芸術を考える時に、なぜ、日本では仕事として成り立たないのだろうという事を考える。
そんな中、最近IBこと国際バカロレアについて学ぶ事があった。
IB(国際バカロレア)について書かれているサイトによるとIBとは、
この目的のため、IBは、学校や政府、国際機関と協力しながら、チャレンジに満ちた国際教育プログラムと厳格な評価の仕組みの開発に取り組んでいます。
IBのプログラムは、世界各地で学ぶ児童生徒に、人がもつ違いを違いとして理解し、自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、積極的に、そして共感する心をもって生涯にわたって学び続けるよう働きかけています。」
日本では、PYP認定校をはじめとしてインターナショナルスクールなどがIB校として認定されているところも多い。けれど、IB校の中でも大学入学のためのデュプロマ・プログラム(DP)は日本国内で73校、候補校7校。
その中で、インターナショナルスクールや学費の高い私立高校ではなく、公立高校が12校というところに注目したい(残念ながら九州にはない)。
つまり、馬鹿高い学費を払わなくても、住んでる県によっては公立高校のIB取得を目指しながらバレエに通う事もできる。
- 市立札幌開成中等教育学校
- 宮城県仙台二華高等学校
- 筑波大学附属坂戸高等学校
- 東京学芸大学附属国際中等教育学校
- 東京都立国際高等学校
- 神奈川県立横浜国際高等学校
- 山梨県立甲府西高等学校
- 滋賀県立虎姫高等学校
- 大阪府立水都国際高等学校
- 広島県立広島叡智学園高等学校
- 鳥取県立倉吉東高等学校
- 高知県立高知国際高等学校
特に注目すべきなのは広島県にある広島県立広島叡智学園高等学校。
ここは中学1年生からの全寮制で
中学生は「学費無料!」
しかし、
当たり前だけど、募集数40人の枠の中に入るのは至難の業。
まず、入学試験が小学6年生時に2回ある。第一次試験の適性検査を突破した後、クリスマス頃に2泊3日の合宿タイプの受験が行われる。
そこで、最終結果が年明けに行われ、4月から中1〜高3までの6年間の一環IB教育を受けていく。
娘の幼稚園の時のお子さんがここに入学したらしいけれど、外見は12歳でも中身は大人顔負け。12歳で親元離れて、寮生活。しかも周りは海。(プールの授業は海!)
精神的に自律していないとなかなか難しいだろうと容易に考えられる。
上にも書いたけれど、大学入学のためにはIBの中でもDP取得が特に重要になっていて、16歳から19歳向けのプログラムで組んである。
DPは6個のグループがあり、そのうち自分が極めたいグループの3種類のハイレベルグループを選択しなくてはならない。
ibo.orgから引用すると、下記の通り。
グループ1 言語と文学 language and literature
- 「言語A」文学
- 「言語A」言語と文学
- 文学と演劇
グループ2 言語習得 language acquisition
- 古典言語 Classical language
- 言語の基礎 Language Ab initio
- 「言語B」
グループ3 個人と社会 individuals and societies
- ビジネスマネージメント
- デジタルソシエティ
- 経済
- 地理
- 国際政治
- 歴史
- 哲学
- 心理学
- 社会、文化
- 人類学
- 世界の宗教
グループ4 科学 Sciences
- 生物学
- 化学
- コンピューターサイエンス
- デザインテクノロジー
- 環境システムと社会
- 物理
- スポーツ、運動、健康学
グループ5 数学 Mathematics
- 分析とアプローチ
- 応用と解釈
グループ6 アート Arts
- ダンス
- 映画
- 音楽
- 演劇
- ビジュアルアート
DPコア
- 創造性、活動、奉仕
- 課題論文
- 知の理論(知っているという事をなぜ知っているのかなど…)
グループ1〜6までで42ポイント、DPコアの取得で最大45ポイントになり、その結果などを持って大学への応募が可能になる。
※グループの中から一つづつを自分で選択していくのだが、学校によってはないところもある。たとえば、娘の通っているボーディングスクールはコンピューターサイエンスはなかったりする。
!!DPにおいて各グループは全て重要である!!
何が言いたいかと言うと、日本ではなおざりになりがちなグループ6のアートがIB取得には数学や言語、科学などの科目と同様に大切に考えられると言う点。
日本の一般の大学受験の多くは数学、国語、理科、社会、英語が中心に考えられており、塾でも主要5科目として教えるところばかりで、芸術系であるダンスやアートや音楽などは二の次扱い。
もちろん、IBがなくても日本をはじめアメリカでも大学進学することはもちろん可能。けれど、IB、特にDPを取得する事で国際的デュプロマとして認められるから世界各国の大学に応募がしやすくなる。
日本でもここ最近はIB取得者向けのIB入試実施大学が増えてきている。
国際基督教大学、早稲田、慶應、上智大学などの私立大学のほか、東京大学や東北大学などの国立大学もIB取得者が受験できる枠を設けている。
私がこのサイトで何度も書いているようにバレエダンサーを目指す子達の中には中卒の子も多い。けれど、世界各国を見渡せばIB校のように「アート(芸術)」が国語や数学と並んで評価されるところが増えつつある。
バレエとIB取得。かなり、かけ離れているようにも見えるけれど、バレエで鍛えている集中力と研究力があればバレエをやっている子ほどIB、特に高校レベルのDPは向いているのではないかと思う。
特にハイレベル選択でアートを選択すればさらにその探究心と共にバレエへの深淵に近づく事ができるんじゃないかと思う。
勉学とバレエのどちらかを選択するというやり方ではなくて、文武両道を目指してそれからバレエダンサーという職業を自らの手で勝ち取る方法も今どきの選択肢の一つ。
以前の記事でも書いた通り、パリ・オペラ座バレエ学校ではフランスのバカロレア試験を受けデュプロマを取得しなくてはならない。IB取得ほど難しくはないとはいえ、職業高校ではなく、普通高校卒業資格とバレエダンサーの道を並行して取得している。
つまり、現在の大人達の感覚が主要5教科の偏差値主義なのか、アートを含めた才能(創造性)を重視する事ができるのかで子供達の未来は大きく変わる。
日本では環境的にバレエダンサーになる道と勉強との両立の道が全く整備されていないから、選択肢が少ないかもしれないけれど、バレエをやっている子達本人やその保護者達がもう少し真剣に子供達の将来について考える必要があるのではないかと思う。
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