90年代と違いバレエダンサー、バレエ関係者を取り巻く生活環境(収入面や福利厚生面)は厳しくなってるのに日本のバレエ界はダンサーもバレエ教室も飽和状態。
バレエ人生は決して簡単じゃない。これは誰もが思うこと。
🩰日本でバレエを続ける事の現実 |
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🩰バレエを習う利点
集中力、音楽性、協調性、忍耐力、感受性などが鍛えられるから子供の情操教育には最適。
20年以上のバレエ講師として教えてきた生徒たちは勉学面でも優秀な結果を残す子が多かった。
これはバレエで培った集中力(アンシェヌマンを一瞬で覚えて、先生の指示通りに身体を使う。暗記力と音感が瞬時に試される)が、その後の受験でも応用できた結果だと思います。
加えて精神面は鍛えられるし、見た目も美しくなる(正しいレッスンを受ければ←これ重要)。
バレエを通して舞台に立つことはかけがえのない一瞬で、自分が生きていると感じられる自己肯定感を得られる居場所だったりもする。
🩰日本でバレエに向合う難しさ
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日本のバレエは職業としてほぼ成り立ってない。だから『お金持ちの習い事』と言われるし、お金がないと続けられない事実。
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上にも書いたように「習い事として」学生時代にやるには集中力も養えるし、頭の回転も早くなるなど勉強との両立が最適とも思える。実際、私が指導した子達の多くがバレエを真剣にやりながら進学高校や大学に入学していた。
でも、それを職業として選んだ時、はっきり言って
日本の場合、バレリーナの引退後、キラキラした未来はない。
小さい時にどんなに天才と言われても、どんなに才能があっても自分で稼げず、40歳過ぎても実家暮らし、自活できず、親の脛をかじって生きている人たちも私の世代ではとても多い。
たとえ海外にバレエ留学を果たしても就職口は限りなく少ない。華やかにバレエダンサーとしてのキャリアを積む人がいる一方、その多くが「元バレエ留学をした事がある人」となって、帰国する現実。
また、国内でバレエダンサーになってもその裏でアルバイトで食い繋ぐ30代、40代(50代も!)だって存在する。(しかも、俳優さん達と違って、現役で活躍できる期間は短い。)
でも、日本と違って海外に出て、就職口を得られたのならそれなりに食べていくことはできる。ただ、配役で役がつくかどうかは実力と運次第。
海外では、特にヨーロッパは福利厚生がしっかりしているところが多いし、国によっては国家公務員としての扱いになり、日本とは天と地の差。
海外、主にヨーロッパのバレエ団の多く | 国内バレエ団の多く |
・福利厚生あり ・バレエダンサーは国家資格のところが多い ・固定給で生活できる ・昇給制度あり ・引退後の年金あり ・体のメンテナンス施設がついている場合多数 ・階級によってポアントの支給数は違うけれど、基本的には支給型 | ・福利厚生なし。国民年金に自分で加入 ・バレエダンサーに明確な資格なし ・固定給がない人が多いからアルバイト ・階級は上がっても食べていけるほどの給料はもらえない場合が多い ・引退後の保障は国民年金のみ ・からのメンテ代は自腹 ・トウシューズ代自腹のところが9割 |
今の日本でバレエの先生を1から始めるとしてもピラミッド型で、底辺はそこ知れぬ広さ。
生徒がすでに数十人いるようなところを引き継げれば超ラッキー!
バレリーナ同様、それを職業として食べていくのは難しいのが現実。
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老後の保障は何も無い。
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その一方で、年齢関係なくできるバレエの先生。90歳で現役の先生達も多くいらっしゃいます。
だから日本のバレエの先生達自体がバレエダンサー同様、切磋琢磨しながらシノギを削って生きるために一所懸命にバレエを研究している。
学業を諦め、中卒でバレエダンサーを目指した人達が引退後、元バレエダンサーになった40代、50代時にどうなるか…?
考える必要がある問題だと思います。
当然ながら「バレエ」で誰しもが成功するわけではありません。時代の流れを見て、日本のバレエ界の現状を知らなければ、良いように踊らされて自分の人生を棒に振るってしまう可能性もあるのです。
現役のバレリーナ、バレエダンサーでも、どれくらいの人数が一人暮らしをして、自立した生活を送っているのか・・・
日本のバレエ界を改善するためには考えていかなくては行けない問題です。
・🩰バレエは職業じゃない?/国内のバレエダンサーは仕事として食べていけない
【私自身の家族との経験談】
ごく一般のサラリーマン家庭で育ち、自分で銀行で借金をして稽古場を立ち上げ、バレエ教室を運営してきました。
でも、一般的に日本でのバレエは職業として成り立っていないから父は
バレエは仕事じゃない。ただの道楽。と。
父は私がバレエを続ける事に大反対で、親としてレールの上、つまり学歴社会の中で生きる人生を望んでいました。
自分が辿った事のない道を理解できないのはもっともで、子供の幸せを考えた時に自分が通ってきた道を示そうとするのは至極当然だと思います。
それでも私はバレエ以外やりたくなかったので頑なにバレエの道に突き進み、バレエ教室代表講師として多くの生徒やものすごく素敵な保護者の方に恵まれました。
それは単に私がバレエの先生として優れてたのではなく、99%は運が味方してくれたおかげだと確信しています。(私自身は元々バレエに全く向いてない体型。)
でも、容姿端麗で才能があっても運を掴めない人もいるのが現実。
バレエを職業としたいと思っている人たち(特に女子)やその保護者にちゃんとバレエと向き合ってほしい。先生たちの中には素質のいい生徒を育ててコンクール実績をあげ、海外留学させるために頑張ってる方々が多くいます。
でも、その先の人生を考えるのは当事者である本人であり、その子の親です。
バレエ先生の言うことだけを信じて鵜呑みにするのではなく、お子さんの将来のため、自分の将来のために険しい道だと言うことをしっかりと確認し、親子で先のことを見据えて話し合ってほしいと思います。(踊れて身長がある男子は世界的にも希少価値があります。)