何から書き出していいか分からない。
多くの事があり過ぎた夏だった。
2年半ぶりの日本は本当に心地良くてネット上で言われるほどギスギスした人たちもおらず、むしろ穏やかで親切な人たちに多く出会う夏の帰省だった。
ただ、至ところ、辺境の地にまで外国人がいてその多さには驚いた!
旅先で出会ったホテルの方、地元の人たちは軒並み親切で、日本の良さを再認識できる日々でもあった。
様々な方言を聞くのも心地良くて、それぞれの土地の人たちの温かさが身に沁みた。
バレエの方でも私が教えをした数日間、もうバレエから離れて久しい懐かしい顔も含めて多くの子達が集まってくれた。
幼稚園生だった子達が大学生、社会人になってもこうやって私の呼びかけに集まってくれた事に感謝しかなかったし、大きく成長して(文字通り身長も私より高い子ばかり!)、現在の自分の考え、状況を語ってくれた子達を誇りに感じた。
小学生の子達もたくさん来てくれて、上達した姿を見て嬉しく思ったりもした。
中には大変な状況の中、私と会う時間をどうにか割いてくれた子達もいて今まで私がやってきた事が夢ではなかったんだという実感として感じられた。
ここフランスにいると、私が教えをしてきた20数年の月日が私の幻だったのではないかと思うほど静かで何もない。
光陰矢の如しとはいうけれど、歳月が流れるのは早く、今ある現実と過去を重ね合わせるのが難しく感じる時がある。
今を生きている私たちに、過去は必要だけど無関係。
過去が積み重なって自分ができている訳だけれど、私が今いるステージにバレエの先生だった過去はほぼ関係ない。
フランスの田舎の人たちは私をバレエの先生という見方ではなく、フランス語がまだ怪しい1人の日本人女性として見ている。
ただそれだけ。
これまでの人生で自分が何をしてきたか、という事は今のこのフランスの田舎生活ではあまり意味を持たない。
それが良い、悪いというのではなく、今回帰省し、久しぶりにバレエの先生としての立場に立った時、過ぎ去った日々に対してある種のメランコリックな感情が渦巻いて複雑な気分になった。
それと同時に今の日本におけるバレエの現状も目の当たりにして俄かに不安も感じた。
フランスはコンテンポラリー。
日本はクラシックバレエだと思ってた。
でも、
目にした現状はそうじゃなかった。
ヒップホップやKポップ。
これが主流になりつつあるようだった。
つい最近、ヨガの大手が倒産したニュースを聞いた。
その業界に衝撃が走っている。
日本のクラシックバレエ界はどうだろう。
その昔、燦々と輝いて、多くのバレエダンサーやバレエ留学者を輩出していて、見たところ陽が沈む事がないように思われたバレエ教室が、今は発表会もままならない状態というところも少なくない。
私が思った通り、今は多くの若い先生たちが台頭している。
かつて栄華を誇ったバレエ教室のいくつかは時代の波に乗る事に完全に失敗してしまっているように見えた。
平家物語にも「驕れるものは久しからず」という一文があるけれど、未来永劫そのバレエ教室が安泰という保証は一切ない。
だとすれば、今後の少子化社会に相対するためにすべき事とは何なんだろう。。
大人バレエに力を入れること?
現在、多くのバレエ教室がシフトチェンジとしてそちらに力を入れているが、それで解決する問題なのか…。
未来の子供達のために夢のある日本のバレエ界を作りたいと思っているけれど、多くのバレエの先生たちが今の自分たちの生活を守るためだけの方向に向かっていては結局何も変わらない。
それどころか、今後10年以内に帰国するであろう多くの海外で活躍する現バレエダンサーが日本で居場所を見つけようとする時、現在必死にもがいている状態のバレエの先生達がどのような反応をするのか…。
日本のバレエ界と日本の社会は国からの何の保証もないまま切り離されている。
そんなふうに感じた2025の夏。
私にはまだ何の力もなくて、客観視して見ることしかできない。
でも、今を一生懸命に生き、バレエダンサーを目指そうと努力する子達とも久しぶりに再会したこの夏。
努力がコンクールという結果に繋がっている子もいる。
バレエ留学という形につながっている子もいる。
そんな子達の未来がどうにか明るいものであってほしいと再認識した夏でもあった。
俯瞰して何かを見渡せるようになった時、何か前に進む一歩が生まれるかもしれない。
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