フランスの高校は普通高校と職業高校、そして別枠でCAPという専門学校がある。下記の記事でも書いてるけれど、フランスは思いの外、相当な学歴社会で何においても資格、証明書が必要。
だから、バレエの先生も国家資格が必要だったりする。
フランスでは誕生日によって14歳で高校生(1月1日から12月31日までが基本は同じ学年。後は飛び級、学年のダブりなどが中学生でも存在する。)という事もある。
CAPは結構目的があって、日本でいうところの専門学校。その道に進む子が多くが、職業的に言うとパン屋とかパティシエ、肉屋(日本だと存在しない部類だと思う)、美容師などなど…。
だからその後の人生も自分の努力次第で切り拓ける可能性があり、強い意志と資格で自分の歩む。
でも、職業によっては未成年だと1年後に見習いとして働く会社が見つからないこともあり、そう言う場合はフランス人でも途方に暮れてる人がいる厳しい現実。
普通高校は日本の高校と似ていて卒業後は大学に進学できたり、専門学校に行ったり行かなかったり…自分で将来の職業を選択できる。
ヤバいのは職業高校の目的ない子達。
職業高校でもCAPと同じように目的意識を持って入学する子もいて全てが「ヤバい」訳ではない(例えばパタンナー、情報システム、車の整備士、農家などなどしっかしした目的を持って進学する子も!)。
私立の職業高校をあえて選択する人もいるくらいだから、「目的意識」がある子達はBAC Proの取得を目指して3年間高校生生活ができるので良い制度だと思う。
その後もBTSなどの高等教育機関に進む子も多い。
けれど、職業高校に行ってる子の問題…
目的意識がなく、単純に成績が悪くて普通高校に行けなかった子。
そうするとどういう目的の職業高校の科が他にあるかと言うと営業、販売、、その他。
この営業、販売の授業内容が本当にビックリするくらい内容がないし、生徒のモチベーションもない。
高校の授業で習うのは販売の練習、営業の練習の繰り返し。
もちろん移民やフランス語が母国語ではない子向けではなく、フランス人向け。(もちろん帰化した元移民もいるかもしれないし、うちのような移民の子向けの学校という程ならまだ理解できる。)
接客で使うかもしれない簡単な英語(結局話せない人が多いけど)やスペイン語。
お店使う計算のための基礎的な数学。
1年間のうち6週間の職業訓練があって、それが重要になってくる。どこかの販売員としてまたは営業として見習いとして学ばせてもらうのが必須。
しかも学校の授業もしょっちゅうキャンセルになって5時間授業のはずが2時間という日もザラ…。
生徒のモチベーション低
=先生のやる気も…ないらしい。
その後、上記にも書いたBac pro と言うの卒業資格を3年生で取るのだけど、それは基本的には大学に入ることはできなくて、卒業後はBTSという短大と言うより専門学校(主に技術を学ぶところが多い)に近い学校に通う事もできるけど、目的意識がない子達は、ほとんどが就職する。
高校時代に社会(歴史は週1であるらしい)とか、理科とかちゃんとした数学、母国語(フランス語)とかを学んでないからそこから這い上がるのは相当な本人の努力が必要。
※稀に自分で努力してBTS進学後、システムエンジニア等のグランゼコールに行く人もいるから職業高校自体が悪いわけではない。
ただ、
販売・営業の職業高校には宿題もほとんどない。それは生徒がやってこないから。授業もまともに聞かず、おしゃべりをしてる子も多いので学校側から指導もよく入る。
でも、中学校で言われるのは…
高校進学を決定する中学側は普通高校も職業高校も一緒ですよー!と言う事が多い。
なぜかと言うと、多分、
今のフランス、大学を卒業しただけでは就職できない新卒の人が増えているから。
学士を取っただけだと希望就職先に就職できない場合も多い(文系、理数系でも就職率が違うのは日本と同じ)から修士取得を希望する学生が増えている。
だったら中学卒業の時点で振り分けよう!というのが政府の方針らしい。
だから、結構な割合の子達が14、15歳の時点で君は大学進学の道に進まなくていいよ、もっと就職が近い道を選んでね!と言うことらしい。
そして今現在のフランス、2024年の国会の話し合いの中で、国立大学のいくつかの文系の科も少なくしようと言う方針が出ている。
4校の大衆国立大学(日本で言う中堅以下大学)がノミネートされていて、もしそれが実現すると3000人の大学教授が職を失うことになる。要はこの中堅国立大学の文系出てもあんまり意味ないよねー?就職率悪いし!という事。
日本もそうだけど、大学出たからめちゃくちゃ稼げるようになる!とか言う保証は一切なくて、本人のやる気次第。
でも、学歴がないと学び続けることが不可能な現実、やりたい職業に就きたくてもBac Pro(職業高校卒業認定資格)しか持ってないからと言う理由で応募できない事もある。(これは日本の高卒だけでは応募資格がない一流企業が多いのと同じ。)
ちなみに普通高校を修了する前に受けるフランスのバカロレアで取得できるのはBac Generalと言うもの。(IB、国際バカロレアとは全く別物。)
もっとも、
販売や営業の職業高校を出ても自分で独立して店を構えてやろうとする意気込みがあれば、学士や修士を取った人よりも多く稼げるのは日本と同じ。
高卒でも中卒でも日本では学歴がなくても、資格がなくてもバレエの先生になれるのと同じ。
逆に一流の大学を出たからと言って、バレエの先生になって成功するとも限らない。ただ、その道で行き詰まった時に進路変更はしやすい。
最後に、パリ・オペラ座バレエ学校とか、コンセルヴァトワール出身者がどう言う扱いかを書くと、普通高校卒と同じレベルになる(1995年以降)。
なぜなら
国立の高等機関だから。
その後、バレエダンサーに何らかの理由でなれなかったとしても、大学やグランゼコールに進学することが可能。
パリ・オペラ座バレエダンサーだったセバスチャン・ベルトーは、パリ・オペラ座でダンサーをやりながら、パリのグランゼコールの一つであるパリ政治学院(超超優秀な人しか入れない)で、芸術と政治学の修士号を取得して、他のダンスの学校に通った後、ダンス教師の国家資格を取得していると言う恐るべき学歴の持ち主。
もちろん、パリ・オペラ座のバレエダンサー全員がこういった高学歴ダンサーばかりではないけれど、日本のようにバレエか学業かいずれか選択しなければならないと言うことに陥らない制度が確立されている。
現に、コンセルヴァトワールのバレエの生徒がいる授業に参加したことがあったけど、皆発言もしっかりしているし、座学も真剣に学んで学士を取ろうとする意気込みが感じられて、文武両道の凄みを知った感じ。
日本人でも高校さえ卒業していれば、フランスにバレエ留学して途中で挫折して、バレエの道に進めなくなった場合は語学力(フランス語DELF B2以上)があれば、フランスの大学やグランゼコールに進学し、学士なり、修士課程なりを卒業して他の職業に就くことが可能。
だから、日本の将来バレエダンサーを目指す今の日本の若い人たちも、バレエか学業を選ぶと言う選択ではなくて、両方を自分自身の最高レベルで頑張って欲しいと思う。
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