ローザンヌの1週間とバレエのレッスンの代行週間が丸かぶりしていてレッスン、Youtube、レッスン、Youtube、の繰り返しの1週間だった。
ヨーロッパの一般社会で日本人は好まれることも多いけれど、バレエ団で活躍すると言う話になれば、「アジア人枠」と言うことで一括りになる。そこに、日本人枠、中国人枠、韓国人枠という枠組はない。
しかも人数は限られている。
これは決して差別なんかじゃなく、当然の事。
今日本でも移民問題が大きく取り上げられたりしているけれど、バレエダンサーも海外のバレエ団に就職となれば、他国で「移民」となる。
私はフランスで学生をしているけれど、移民の一人。子供達も同じ。
先週は幸い大学の授業は一つもなかったのがせめてもの救い。
地道に卒業論文に向かって作業を進めるも…他人の力を借りなくてはならないここ最近。インタビューをしたいけれど、なんせ相手がフランス人。
返信来ない。
今日、ちょっと急かしてみたけどもうちょっと待って!と。もう1週間待ってるんだけど…でも、ここは日本じゃない。待つしかない。
しっかし、大学卒業するのがこんなに大変なんて思わなかった。
日本の大学生たちもみんなこれをやってるんだと思うと、若いのに…って頭が下がる思い。
論文40、50ページ…。
私は去年二学期の授業は実地学以外は取ってしまってるからそれに集中すればいいのだけど、他のクラスメイトたちは他の授業の課題を進めながら、卒業論文を進めている。
遊ぶ時間なんてないと思う…。
世の中の大学生ってすごい。
話変わって、先週のバレエのレッスン代行とローザンヌ国際コンクール。
今回も生徒さんたちに助けれられる1週間だった。自分もレッスンしながら勉強になることが多くて、フランスの人たちに助けれらた1週間でもあった。
そして、レッスンの合間にはYoutubeでローザンヌ国際コンクールを見る日々。特にクレールマリ・オスタのコーチングが見ていて楽しかった。彼女がarteのインタビューで、精神性、身体性、体力が総合的に大切だとも言っていた。
また、コンテの練習風景やクラシックのレッスン風景が興味深かった。
- レッスンから自分の良い面をうまく出せる子、
- レッスンから踊りに哲学があるなぁと感心させられる子、
- 緊張の面持ちで身体が強張って見える子、
- ちょっと投げやりになってしまう子
など様々だった。
そんなんで練習風景ばかり見ていてまだ、決勝は昨年ほどちゃんと見られてないけど、今年も綺麗な東洋人が多かった。
特に韓国や中国の子達の高身長に小顔、そして手足の真っ直ぐさに加えて、欧米人に負けない手足の長さ、さらには東洋人ならではの繊細さが印象的だった。
そして、その中で自分をどう言うふうに見せればいいかも分かりながら踊っているけど、決して大袈裟ではなく、自己アピールが強すぎるでもなく、決して誰かのコピーではなく踊っている子たちが印象に残った。
自分自身と向き合う余裕や自分自身の思い描いた踊りに近づける哲学がある子達。
小柄な日本人でも、
頑張れば…
辞めなければ…
と言う人もいるけれど、日本国内で通用する一般的な根性論と外国で通用する概念はまた異なる事もあるのだと理解する必要がある。
一月に下記の記事を書いた時に、中国、韓国、日本の東アジアと米国が多い旨を書いた。結局、決勝は米国の子が1位ではあったけれど、韓国、中国が圧倒的に目立っていた。
精神的にタフだった。
また、今回、「日本」として入賞した子もこのローザンヌでは「日本」となっていたけれど、YAGP出場の際はいつも「米国」。
バレエの国立の教育機関がない日本は、アメリカのような地域一丸となってのサポート体制もない。
寄付もない。
全ては個人の責任。
成功したらメディアは取り上げるだろうが、成し遂げられなかったら何もない。
その子達の未来に賭ける奨学金(スカラーシップ)も日本独自としては圧倒的に数が少ない。
「ない」ものが多い。100年間変わらない日本のバレエ界。
今後もローザンヌ国際コンクールを目指す日本の子達も多いとは思う。
けれど、現実は国立の教育機関や体制が強い他の東アジアの進出がさらに強まるのではないかと思う。
有能なバレエ講師が多い日本で、一丸となって日本のバレエ界のために立ち上がる先生たちが増えれば…と改革が起きないかと願う。
吉田都芸術監督になって新国立の待遇が多少は改善されたと聞くがそれでもまだ、新国立バレエ自体に豊富な資金力がある訳ではないからダンサーの生活は厳しい。
最近ではオペラ座のバレエダンサー達も頻繁に中国にレッスン指導に行ってるのをインスタ等で目にする。
国をあげてプリンシパル達を定期的に招致するのは強い。子供達にとってそれはかなり強い経験値となるに違いない。
身長問題、表現力の問題等、どれだけ克服できるかで世界に羽ばたけるかが決まってくる。ヨーロッパのエトワール やプリンシパルから直に学べればそれだけヨーロッパ的な感覚も付きやすい。
海外のバレエダンサーも収入が得られるのであれば、当然どの国にだって行く。
それが技術や表現力の向上に繋がる。
世界に羽ばたかずとも、もし、日本にコール・ド・バレエから安定した収入を得られるバレエ団ができれば、小柄な日本人でも、その良さをもっとアピールできる場所があるだろうけれど、現実には収入を得るためには海外に頼るしかない。
ただ、その海外への道でさえも他の東アジア地域に推されつつある。
若くしてYAGPなどで早々と海外に飛び立ち、やりすぎないレッスン、十分な休息、睡眠を取る習慣が身に付けば筋肉のつき方の変化や睡眠の質によって身長も一気に伸びるかもしれない。(過去にローザンヌに出てた方でクロード・ベッシーさんに小柄でお人形のようです!と言われていたけど、その後海外留学して帰国された時には170cmになられてた。)
フランスにいるとすごく思う事の一つとして日本人も韓国人も中国人も「東洋人」という括り、つまり日本人が思うほどヨーロッパ人には東洋人の区別は付いていない。「寿司」屋さんにしてもほとんどが中国系の人たちが経営してるから、東洋人がやってるJapanese レストランって事で、日本好き(日本贔屓)の人たち以外はそんなに気にしない。
私からしたら、箸の盾置きから始まって、厨房から聞こえる中国語、そしてこれが寿司なのか…?と思うことも多い。
仲良くなれば、「ああ、日本人なんだね!日本好きだよ。」となることが多いけれど、パッと見えてるだけだとどこも一緒。
北欧が一括りだったり、アフリカが一括りだったり、アラブ諸国を一括りにするのと同じ。
以前の記事にも何度も書いているけれど、今は30年前のアジアのバレエと言えば、日本!ではない。
海外バレエ留学はできても、バレエ団入団ともなれば話はまた別になる。
30年前は家電もパナソニック、ソニーの日本!だったのが現在、少なくともフランスでは家電と言えば、サムスン、LGなどの韓国!になっている。
フランスに住み始めて丸3年、思ったのは30年前にデンマークのあちこちで日本の会社の名前を見た時のようには日本の電化製品をほとんど見ない。
時代が変わった。
だからこそ、日本でバレエをやっている、バレエを愛する人たちがもっと危機感を持って日本人自ら、日本でバレエを「収入が得られる仕事として」運営できるようにしていかなくては世界一のバレエ人口を誇るバレエ教室の数とプロになれない、海外進出できないバレエダンサーの数の歪みが大きくなっていく。
10年前くらいまではまだ、
中卒で海外バレエ留学→海外バレエ団就職
の道が日本人にも大きく開かれていたが、
昨今の同じ「東アジア人」の台頭で、
中卒で海外バレエ留学→日本バレエ団=バイトと掛け持ち
が増えてくると思われる。
だからこそ、中卒ではなく、(少なくとも)高卒を!と私は強く訴える。そうすれば、ミコ・フォーガッティーさんのようにセカンドキャリアとして次の道に切り替えが早くできることもある。
中卒でももちろん超超超超一握りの人は、成功する。
それはものすごい鋭角なピラミッドの頂点のような人。
高身長であったり、カリスマ性があったり、超越した技術や表現力を持つダンサーであったりすれば中卒でも、バレエダンサーを引退した後、何も問題はないのかもしれない。
60代、70代までに蓄えができたら老後もそんなに苦労しなくて良いのかもしれない。
けれど、夢砕け散る人たちの方が圧倒的に多い現実がある。
夢を持つことは悪いことじゃない。
若い時に人生をバレエにかけるのは素晴らしいことだと思う。
でも、
10代で人生が終わるわけではない。
踊れなくなった50代、60代以降のことまでしっかり現実を考える必要がある。
どんなに才能があったって怪我をしたら踊れなくなる危険性は誰にでもある。そこからどうやって人生を転換していくのか、プランBを常に想定しながらバレエの道に突き進む。
私は、日本のバレエ界でちゃんと収入を得て生活できる人たちが増えて欲しいからフランスの大学でダンスの事を本気で勉強しながら毎回似たような文章を書いている。
フランスで舞踊と共に生きる人たちがどうやって生きているのか。そして、今後の日本のバレエはどこに向かうのか…。
第二の人生として、セカンドキャリアのきっかけとして、40代で大学生になるにも高卒または大学入学の資格が必要。中卒では大学には入れない。語学学校でさえもダメな場所もある。
そして、生きるためにはお金が必要。
中卒だと応募資格で数が絞られる場合が多い日本社会。高卒だって、大卒よりも明らかに初任給面では少ないし、高卒では就けない職業も多い。
親がお金持ちで一生、親の脛を齧られる保障があるのであれば、中卒で好きな事をしたらいいと思う。
でも、一般のサラリーマン家庭なら一生涯自分の両親には頼れない。生活保護や日雇いの仕事で人生の後半を迎えるのかを考えてみるべきだと思う。
社会情勢、学歴問題、バレエレッスンの世界基準等、昭和の根性論的なレッスン方法(小学生に夜中の12時まで自習させるなど…)を日本のバレエ界全体が総合的に考えて行く時代なんじゃないかと思う。
グローバル社会の中で個々として活動する日本人バレエダンサーが輝くために。
若い人たちやその周囲の大人に今一度「人生」について考えて、自分自身の中に確固たる哲学を持ってもらいたいと思う今回のローザンヌ国際バレエコンクールの1週間だった。
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