私が発信したいのは、収入がないのは当たり前、無収入が問題とか言うなら「外交官になれよ!」とか、「バレエは芸術だから稼げなくて当たり前。今更そんな事を掘り返す必要は日本ではない!」などの今まで日本のバレエ界に浸透してきた概念を覆すこと。
そういう観点で言ったら、日本の多くの(未来のダンサーも含む)バレエダンサーが憧れを持つパリ・オペラ座バレエは悪でしかない。
なんせ、賃金アップのために、お客さんが客席に着いた後に公演中止のお知らせがあったのだから!(下記のブログ。)
フランスだと賛否両論はあるが概ね、「権利」だから。と言うことになる。ここは日本だ!文化が違う!と言う声も聞こえてきそうであるけれど。
でも、クラシックバレエは西洋から輸入されたもので日本古来の「能」のような舞ではないから、欧米の元王家がいたような国々や共産主義の国々のバレエの歴史を参考にするのも悪くないと思う。
そうした時、日本は資本主義国であるから、他の資本主義国家の「国立バレエ団」としての成り立ちを見ると「人権」や「収入を得る権利」に行き着く。
そして、日本のような自己責任論にはならない。無論、共産主義国ではなくても、時として国が政治利用、プロパガンダとして利用していたのだけれど。
日本の(女性)バレエダンサーが日本で無収入に近いことや、少子化と反比例する形で若い世代、しかも海外でバレエダンサーと踊っていたような知識、経験豊富な人たちが作るバレエ教室が増加するのに伴い、一定数、既存の教え方で日本で長年教えてきてた先生たちからしたら、戦々恐々とする時代でしかないと思う。
自分のバレエスタジオ経営を全て譲渡して、多くの生徒と共にバレエ講師としての立場を譲り、フランスで大学生という新たなフェーズに入っている今、失うものがない。だから、書けることがある。
日本はすでに室町時代に「能」と言う文化財産があり、歴史がある。
100年前に日本に輸入されたクラシックバレエは共産主義国家と違って、国として新国立バレエ団でさえ全団員への給与化を遂行するのは難しい現状がある。
吉田都芸術監督になって、だいぶ改善されたとは聞くけれど、全員の安定した収入、福利厚生、年金問題などが解決されたとは言い難い。
もし、福利厚生が安定的に整っていれば、パリ・オペラ座バレエ団のエトワール達のように、出産前後もバレエ団に籍を置き、半年または1年ほど経ってからディレクターと相談しながらバレエ団復帰が見込まれ、42歳の引退時まで私達はその素晴らしいダンサーの踊りを堪能できるのではないかと思う。(何度も書くが、新国立バレエのプリンシパルダンサーをはじめコール・ドは素晴らしいと思う。)
※現在パリ・オペラ座バレエにいる女性エトワール、過去のエトワールを見ても子供が1、2人いるダンサーが多く、引退時には子供達が舞台上に上がっているのを動画などでよく目にする。
今の日本の困難極める状況の中でも長年の経験、知識があり、その上、指導力もあるバレエ教室は十分な生徒を確保している所もある一方、そうではないバレエ教室にとってみたらこのネット社会の情報過多な時代に生き残るために相当な苦労があると思う。
これから先の時代、人は流動的に質の良い教室を求め、自ら情報を集める時代がさらに進化する。子供も保護者も大人バレエも不平不満があればすぐに教室を変える事を厭わない。
子供が減少する中で、大人バレエも含めてどれだけ生徒さんとの間に信頼関係を築いて、安定した関係を保てるかが鍵となってくる。
すでに前向きに、時代の流れを読みながら、多くの工夫を凝らしているバレエ教室も多いと思う。
でも、こんな事を書いている私自身、もし、今も日本にいて、もし今もバレエスタジオ経営者として子供達を指導し、その渦中にいたら一人の女性バレエ講師として様々な事は思っていても絶対、公には何も言えない。
単純に周りのバレエの先生が怖いから。
バレエのコンクールに子供達を出場させるにしても、審査員の評判などの関係で、私ではなく、生徒たちに不利益が被る場合もある。フランス社会全体もそうであるけれど(多分これは世界中どこでも…)、日本のバレエ界もコネの世界であって、横の繋がりが大事になってくる。
(そんな中で、以前、そんなに面識がなかった偉い先生に根も歯もない嘘を言われたことがあったが、それは数年前の話で今の話ではないし、今は生徒がゼロなので困らないが、それを当時のその先生の講習会に行っていた生徒が教えてくれた。※女性とは限らない。)
横のつながりがあると、権力がある先生はコンクールなどで仕事が得やすいと思う。でも、そうじゃない、海外で力をつけた若手のバレエダンサーなどはどうすればいいのか?
バレエと真剣に向き合う
未来の子供達の生活水準を
あげたい。
ただ、その気持ちだけで、こういうブログを書いている。
それは大人の共通認識が変われば、未来は変わると思うから。
今の政治も同じだと思う。私達は知らなかった事が多い。
今、無知でもいい。これから知ろうとする姿勢、疑問に持つと言うスタート地点にすら、立ってない人が多い。
なぜなら、バレエの先生に対して疑問を持つと言うこと自体が失礼に当たるという指導があったりする。そうすると知ることができないから疑問に持つこともないと言う循環。
今まで「ダンサーは無収入」状態が当然の時代だったから、今後もそれを変える必要はないと思うバレエの先生達がいるのも当然かもしれない。
でも、時代が変わり、子供が溢れていた日本社会から少子化に突入している。
この30年以上景気も良くはない。今の若い人たちは景気の良い時代を知らない。
私が子供だった40年前は子供たちで溢れ、高校も女子ばっかり1クラス40人×10クラスもあった。現在は少子化な上、女子校は人気が低迷していると言うからきっと、その数も減っていると思う。
また、バブル期の終焉期でもあったため、まだ、時代が明るかった。
私の上の世代の人たちはさらにそのバブルの恩恵を大いに受けた人たちであると思う。フリーターだって、バイト掛け持ちのダンサーだって、未来が明るく感じたはずだ。
消費税だって、その頃は3〜5%だった。ついでに言うと、1989年以前はなかったし!
(その年の11月にベルリンの壁が崩壊しているのを私は朝のテレビ番組で生中継で見ていた。そのくらい古い時代の話。)
全体的な税金も今ほど高くはなく、新型PCウィンドウズ95、98で沸いた時代で、私も何度、秋葉原に通ったか分からないほどパソコンパーツ屋を回り続けた。
バレエ以外の時間、自作パソコンを作るのが趣味だった私の家の中はネジやドライバー、自作パソコンを作るためのメモリーカード、グラフィックボード、マザーボードなどがそこら中に転がっていた。
自分の持っていたマザーボードとの相性が悪いと言えば、秋葉原に行って相性が良さそうなメモリーカードなどを買って、おでん缶を自販機で買っては温まっていた。(「電車男」の時代にはもう行かなくなってたけど。)
そんな時代。
でも今は、秋葉原にもそんな光景はない。
今は全く別の秋葉原になってしまっている。
時代の変化。30年の変化。
常に同じ時はない。
私たちが若い時代を過ごしてきた、なんとなくでも生きていけそうという時代は今はないし、若い子達は知らない。
こんなの旧石器時代の話に近い。
今日もたまたま、娘が戸籍謄本を眺めながら、「ママって、昭和生まれなの?????」と本気で驚いた様子で聞いてきた。14歳の娘からしたら昭和というのは歴史の中の時代。
第二次世界大戦の起きた時代。そんな「年号」の時代に母が生まれたという衝撃…という事らしい。
私が生まれた1970年代の40年前は第二次世界大戦前。今もフランスの大学でダンスの歴史を学ぶのに1980年代前後は歴史の一部として登場する。
同級生達はそれをなんの違和感も持たず、生まれるずっと前の歴史の一部として解釈する次世代の差。
時代は常に変化をしていて、新しい時代の空気を読まないと取り残される。時代を読む力は若い人たちは強い。
時代に取り残された人たちが「自分たちの時代はこうだった!!!」と言っても説得力はない。
今のアキバが30年前の秋葉原とは全く別物であるように。
日本のバレエ界の人たちに前を向いて歩いてほしい。と心から思う。
稼げないことを「芸術家は稼げないのが当たり前」(でも、一部の芸術家であるはずのバレエの先生達は稼げてる!)と一言で片付けるのではなく、私たちの時代はこうだったから「これが伝統!」と押し付けるのではなく、自分たちでも新しい時代に向けた何かを探求してほしい。
※言っているのが女性とは限らない。
AI時代、新しい事を追求できる。他人の足を引っ張るのではなく、自分たちの手で開拓する力を身につけてほしい。過去の栄光の時代にしがみつかなければできるはず。
若い世代を蹴落とす方法を考えるのではなく、若い世代で有能なバレエ講師になり得る人たちに場所を明け渡す覚悟を持って、自らは「バレエで稼げなくても当たり前」の時代を生きてきた証として新しい事を見つけて、自ら日本のバレエ界に携わりながら若い世代が歳を重ねたらこの先生のようにありたい!と思うようなロールモデルになってくれたら最高だと思う。
経験を積んだバレエの先生たちが、バレエの指導をしながらいろんなことに挑戦する姿は後世の参考にもなるだろうし、賞賛も得られるだろうと思う。
今は難しい時代である事は否めない。
だからこそ、日本のバレエ界一丸となって新しい息吹を入れてほしい。
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