観覧料5€。セキュリティもいないし、もぎりの人もいないけど。
決して大きいとは言えないパリ郊外の劇場。
私がここに初めて来たのは2018年。
上の子が参加者としてここにきた。
それから7年。月日が経つのは本当に早い。
9歳だった娘はプリコンペティティブに参加した。
当時、英語は大丈夫だったものの、フランス語力はゼロ。
初日のワークショップは劇場内のリハ室。
そこではバーに付けず、大泣きし、ヨーロッパ中から来る子供達のために先生が英語で話してくれるも途中でフランス語になり、大パニック。
なかなか試練の多い4日間だった。
ここでのWSが素晴らしいのはなんと言ってもパリ・オペラ座バレエ学校内で講習を受けられるということ。
先生はじめ、親は入り口でブロックされ、中の様子を窺い知ることはできないけれど、後から娘に聞いたら螺旋階段の先でどこに行っていいか分からず、ここでも泣いていたらしい。
結局、中にいた方が娘のWSの場所を教えてくれたと言っていたけれど、9歳の初めての冒険だった。
なんの前知識もなく向かった、今回のYAGP France2026予選。
ロビーには多くの人たちで溢れかえっていて多様な言語が聞こえる。
フランス語は少数派。
空いてるスペースでストレッチしたり、先生が生徒にメイクを施している様子は日本と一緒。アジア人が数人、アフリカ系は私が見た限りではいなくて、ほとんどが欧米人だった。
会場内の客席は3ブロックに分かれているけれど、真ん中とその奥は仕切りが張られているから観客が使えるのは入り口手前の1ブロックと舞台から数十センチ離れているだけの1番前の席から5番目くらいまで。
だから、着いた頃にはほとんどの席が埋まっていて、どこに行こうかと下の子とウロウロしてたらYAGPの代表の方が直接話しかけて下さって、
「奥の席座っていいわよ、その代わり途中で出ることはできないけどね。」
と優しく促してくれたので遠慮せず一番奥の列の審査員の邪魔にならない席に座らせてもらった。
決勝。
日本同様にジュニアも年齢順で12歳から。
でも、日本と大きく違うのは12歳のバレエシューズ率が高いこと。12歳と言っても誕生日の関係で実際は現在も11歳の子がジュニア決勝前半は多い(コンクールは11月上旬だったけれど、12月31日生まれの子達までが12歳と計算されるし、表記も大会時点11歳でも12歳表記)。
だから、ヨーロッパの方針として、「本当の」12歳になるまではポワントを履かせない教室も多いのだと思う。
途中から全員トウシューズに変わったけれど、それでも日本の子達の完璧さに比べたら、ピヨピヨな感じが可愛らしい。
ただ、身体能力の高い子が多くて、客席からでも、衣装着てても元々持っている体型の美しさに才能を感じられずにはいられなかった。
長い手脚、小さな顔、柔らかい筋肉、どうしたって内股には向かないであろう骨格、高い甲、等々。
全然完璧じゃないのに魅力的な子達が多かったのはなんでだろう。
多分、年齢相応の動きをし、年齢相応の踊りの解釈をしていたように見えたから。
緊張してるように見える子もいれば、落ち着いて、というよりマイペースで踊っている子も多く見受けられた。
この子素敵だな、全然足りないことだらけだけど、入賞するといいなと思った子達の多くがTop12に入っていて全く他人なのに嬉しかった。
審査員はたったの5人で日本と同じこと顔ぶれも多いのに、審査基準がちょっとだけ違うように見えた。
客席の拍手も暖かくて、そうだよね、本来、コンクールって年齢に応じた無理のない範囲で身体を磨くことでいいんだよね、と思える感じのいいコンクールに見えた。
娘の参加した7年前と変わってない温かい、ふんわりしてる雰囲気に安堵したせいもあるかもしれない。
日本のYGP Japanを見てる限りはお祭り要素が強くて、バレエというよりも違う競技を競ってるんじゃないかと思わせることも多いこのコンクール。
インスタに流れてくるYAGPに参加してた子供達がチュチュで道路を、しかもポアントで歩くのとか好きじゃない。
だって、バレエはそういうパフォーマンスではないから。
大人ならまだしも、子供がチュチュで…。
という私の個人的感想。
果たしてこれでいいのかと疑問を持つことも度々あるけれど、今回YAGP FRANCE2026予選を見て、全く別物だという事を感じた。
子供をゆっくり育てること、無理をさせすぎないこと、それは大人が子供に対して何をさせるか、求めるかで子供もたち自身が変わってくる。
それから子供が本気になれば、12歳以上で思いっきり育て始めるのも悪くない。でももし、子供本人にやる気がないのであれば、それは周りの大人が、諦めるしかない。
なぜなら、その子の人生は、どんなにバレエ向きの体型があろうと、その本人が決めることだから。
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