高校の種類
中3は、日本でいうところの受験生。フランスには塾というものがほぼなく(だいたいこのど田舎にあるわけがないけど、パリには最近できたらしい)、皆のんびりです。ただのんびりと言っても現実はかなーり厳しいんです。フランス留学を子連れする場合はかなり大事なこと!
- 普通高校 lycée général / lycée technologie
- 職業高校 lycée Proffetional
- 専門学校 CAP
高校の種類は主にこの三種類です。
私はつい最近まで普通高校に誰でも行けると思っていたのですが、そうではない事がわかりました…
フランスの中学校の成績は20が最高として10が平均。でも普通高校に行くためには中三の三学期分の平均内申で12が最低必要。つまり、普通高校に行きたい子は平均の上にいないといけないのです。
・フランスの普通の公立中学校/移民クラス・外国人クラスについて
中3の2学期と3学期に日本でいうところの定期テスト(期末テスト)のようなものがあります。まず親が子供と将来について相談し、家庭内で普通高校に行きたいのか、職業高校に行きたいのか、専門学校に行きたいのかを話し合います。そして最初の定期テストの結果の後、授業を受け持つ全ての先生とクラスの代表委員が集まる会議(Conseil de classe)で
普通高校に希望する生徒の場合、
- 行く事が可能
- ちょっと様子見
- 無理
が言い渡されます。
その後、2回目の定期テスト後に再び会議があり、「ちょっと様子見」だった子達には「行く事が可能」か「やっぱり無理」が言い渡されます。イオのクラスメイトでも(もちろんフランス生まれのフランス人)7、8人くらいの子達が2回目のクラス会議後に「やっぱり無理」を言い渡されていたと言っていました。(パリ郊外の田舎の中学校)
普通高校に行けないとなると、職業高校または中3留年を選択します。
それは家庭内によって違いますが、ちなみにうちのフランス人のオッチャンの子供は中3留年をしていました。(それでも次の年に普通高校に行けるとは限らない。全て本人の努力次第。)
6月の下旬に既に応募していた高校(専用サイトで応募)の合否があり、どこの高校に進学するか決まる。公立中学校に通っている生徒の場合、優先的に地元の公立高校は入学枠があるため、それ以外の高校の特別授業で自分が取りたい専門分野があるかどうかが他の普通高校に応募するかしないかが決まってくる。
その後7月の頭にBrevetと言う中学校卒業認定試験があるけれど、この試験の結果は9月か10月なので高校入学には影響しない。ただ、2024年以降、フランスの高校進学システムが変わって、Brevetの結果と、学校での成績両方で成績が付けられることになるのでBrevetの結果も大事になってくる。
普通高校 lycée general | 職業高校 lycée professionnel | 専門学校 CAP | |
年数 | 3年間 | 3年間 | 1、2年間 |
何を学ぶか | 一般的な科目を学ぶ。日本の一般的な高校と同じ。 | 専門的な事を学ぶ。 販売スキル、車の整備、ファッションのパターンなど様々。 | 保育補助、パティシエ、パン職人、料理人など専門的な事を学校で学びつつ、本物の職場に行って仕事をするのが半々。 |
取れる資格 | Bac+ | Bac Pro | 色々専門職 |
進学先 | ・グラン・ぜコール ・大学 ・BTS など | ・BTS ・就職 など | ・就職 |
上の表の通り、普通高校以外は中3(15歳の時点)で大学進学できるか否かが決まってしまう、とても厳しい制度です。
つまり、弁護士になりたい、医者になりたい、小中学校の先生になりたいという子でもこの中三の時点で夢が終了するか否かがほぼ決まってしまうんです。(例外もあって、めちゃくちゃ努力すれば職業高校から普通高校への編入は可能だし、職業高校⇨BTS⇨グランゼコールというすごい人もいます。)
最終的に何の修了証(デュプロマ)を持っているかで、将来の職業も変わってくるし、将来的なお給料にも影響します。だから、中3までの勉強をいかに進めるかによってその後の人生が大きく変わってくる日本以上に学歴社会が厳しい制度なのです。
余談:
公立中学校→公立高校は進学しやすい。
私立中学校→公立高校は地元の普通高校の優先順位的に下になる(=入りづらい)という問題がある。
16歳まで義務教育のはずが、私立中学校に行ったばかりに公立高校の枠を与えられなかったという例もあるようです(移民、外国人ではなくフランス人の場合でも!)。
それだけ公立の普通高校への進学は厳しく、進学しても学業が中学校よりも厳しくなるため、努力しないと卒業できない(=Bacが取れない)。そのための見極めをこの中3の時点で先生達が行うようです。(将来的に努力できる子か、否か。同じ点数くらいの子でも、先生達の評価によって、普通高校に進学できる子とそうでない子に別れるのが学年末に行われるクラス会議。)
現在は大学進学、修士までを希望する子供の数が増えているのに就職先がないなどの問題が多く起こっているため、中3の時点で三分の一くらいを職業高校または専門学校に振り分ける傾向にあるようです。