デンマークの社会福祉
デンマークは国として生活水準が高く、物価も高いし税金も収入の50％が持っていかれるけど、国民にはそれに見合った見返りがあります。私がデンマーク留学していた当時は日本の税金は今と比較にならないほど安く、北欧が福祉国家と言われるのは高い税金の見返りだと思っていましたが、いつの間にか日本も収入の50％くらいまで税金として払う国になっていましたが、福祉面が追い付いてないので生活が厳しくなった側面があるように思います。
揺り籠から墓場まで
この言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、それがデンマークです。病院システムは日本のような手厚いサービなどはないし、出産などは初産でも三日ほどで退院させられますが、病院代は無料だし（歯の矯正も18歳まで無料！日本は美容整形になるから100万円前後かかる。）、公立の小・中・高・大学まで全て無料。一部裕福な家庭は中学校などで、私立に行かせたりもするけれど、そういう家庭はごく稀で基本的には皆公立で育っていきます。(デンマーク王室の子供達でも公立校に通ってる子もいるくらい！)
SU制度（Statens Uddannelsesstoette）
これは学生で18歳の成人なった人が国からもらえる政府による学生教育サポート制度です。私がデンマークに行ったのは17歳の時。現地で18歳の誕生日を迎えた私に友人達がYoshikoもSUもらえるの？と。
最初はなんのことかさっぱりわからなかったのですが、ホストファミリーや周りの友人たちが制度について説明してくれたおかげで理解しました。結果、分かったことは留学生だった私にはもらう資格がないということ。SUには二種類あって、実家から通う学生用と一人暮らしをしている学生用。一人暮らしをしている18歳以上の学生は実家暮らしのこの倍近い金額をもらっていましたが、その額の大きい事にものすごく驚きました。
実家暮らしの子でさえも充実した金額をもらっていてバイトに明け暮れなくても学業に専念できる環境があることを知りました。
もちろん親からのお小遣いをもらってる子や仕送りしてもらってる子は聞いたことがありません。なぜなら、学生であれば経験値としてのバイトをしてもしなくても、節約してSUで生活できるからです。学生限定のベイシックインカムのようなものです。
ちなみに私の当時の友人の一人は、大学生で院を休学して外国にダンスの勉強をしに行っていましたが、その行った先でSUをもらいながら生活していました。ただ、デンマークは日本に比べて大学への進学率が低く、誰でも彼でも大学に進むわけではありません。そして、フラフラ遊んでいるだけでも卒業できないし、それはそれで厳しい社会なのですが、社会保障は充実しているのです。(2024年現在では期間が決められ、短縮されたようです。)
🇩🇰デンマークの移民問題
今でも同じようなシステムで、同じような金額をもらえているかは分かりません。なぜならその後、移民が増え、国として多くの問題を抱えるようになったからです。私がいた当時も、アラブ系の移民の人たちがいました。バレエの友人の一人はヨルダンからの移民で彼女の家族はキリスト教だったから他教徒達に迫害されてデンマークに亡命したと言っていました。
彼女の家族がどうやって暮らしていたかは分かりませんが、移民の多くは多過ぎるほどの生活費を国からもらえるため働かず、さらに自分の家族、親戚を呼び寄せていました。でもそう言った移民の生活費はデンマーク国民が払った税金です。デンマーク人が一所懸命に働き、移民が昼間から公園でバーベキューをする姿を何度も見ました。
私のホストファミリーが住む街の近くにも移民だらけの地区があって、そこの小学校はデンマーク語でデンマークの教育が行われているけれど、９０％が移民だからその地区に住むデンマーク人は引っ越す人が多いと言っていました。(パリ郊外のサン・ドニ辺りも似たような場所。)
そのくらいデンマークでも移民問題は深刻です。また、移民の中にはデンマークで育ち、デンマークの政府から恩恵を受けているにも関わらず、デンマークが好きではないという人たちもいました。その中にはデンマーク人と結婚してデンマークに住んでる日本人の姿もありました。私はデンマークが大好きなので、同じ日本人の口からデンマークのここが嫌だとか、どこが変だとか、暗算ができないから頭が悪いとか（暗算ができるのはヨーロッパでは驚かれる事が多い。フランスでもそう。基本どこも電卓使用。）の話を聞かされるのは悲しい思いでした。
私は日本以外の国に行けば、どこにいても「私」が外国人なるのだから「郷においては郷に従え」と思っています。そうでなければどこにいても自分自身が悲しい思いをし続けると思うからです。
Hukommelse af Danmark🇩🇰
Jeg elsker Danmark