🩰仕事(収入を得る)としてのバレエ。食べていけるの?
※このサイトは基本的に一般サラリーマン家庭向けのリアルです。お金に余裕がある家庭の場合は読む必要がない内容です。
🩰日本でバレエを続ける事の現実 |
🩰バレエで生活できない/国内のバレエダンサーは仕事として食べていけない 🩰バレエと収入と現実〜未来のバレリーナ・バレエダンサーに〜 🩰バレエの先生は資格がいるの? 🩰バレエという儚い夢。日本でバレエを続ける事の現実を考える 🩰私とバレエ人生〜挫折だらけのバレエ人生〜 |
バレエは仕事じゃない。ただの道楽。
by 元バレエ講師の父
父は私がバレエを続ける事に大反対。
エモーショナル産業に突き進む人生には相当な努力と運が必要だということを理解していた父。親としてレールの上、学歴社会の中で生きる人生へ行かせるのが最大の幸せと思うのは至極当然だと思います。
でも、私は反対に
「絶対にバレエで生活をするんだ。バレエで収入を得るんだ!」と。
一般的に日本でのバレエは職業として成り立っていない。
食べて行くにはものすごく狭く厳しい道。
だから、日本の一般の平均的収入のサラリーマンだった父は度々、
「バレエでメシは食えない!勉強の邪魔だ!勉強が疎かになるから辞めてしまえ!」と。
私自身の父との話は10代の頃、30年ほど前の話。その後、20歳頃から25年程バレエの教えをやってきましたが、日本経済の悪化に伴い90年代以上に生活レベル、環境が変わってきたのを目の当たりにしてきました。2024年現在、日本のバレエの水準は大幅に上がったものの、バレエで生活は更に厳しい現実となっています。
バレエダンサーとしてバレエ団所属=就職ではないリアル
日本の場合
2024年現在、バレエで収入を得てご飯を食べていくにはトップクラスのバレリーナになるか、稼げるバレエの先生になるかの二択です。たとえ”就職”してバレエ団に入ってもコールドバレエダンサーでは給料は出ないのが当たり前の世界です。日本のバレエの先生たちの中では日本のバレエ団に入ったらそれは”就職”と捉える人達が多いけれど、世間一般で言う就職=お金を稼ぐとは大きな隔たりがあります。
数年経つとコールドダンサーでも月給として雀の涙程度もらえるところもありますが、基本的には下記のような感じです。
公演毎の出演料 < ポアント代や体のメンテ代⇨ 赤字
🩰日本バレエという闇と現実〜未来のバレリーナ・バレエダンサーに〜
※詳細はこっちのページ
最近、国内外バレエ団で流行っている若い子向けのユースカンパニーはバレエ教室の延長で支払いが生じてくるでしょうし、1、2年後晴れてバレエ団に入団できても親の経済的な支援やバイトなしでは生活できません。
裕福な家の場合はその限りではないですが、私が育ったようなサラリーマン一般家庭を標準とするのであれば、今の日本で親が成人した子供を生涯経済的に支え続けるのは厳しいと思います。
バレエ人生は短く、引退は思いの外早い時期にやってきて、その後引退後の人生の方が長く続くのです。
職業としてバレエの先生は成り立つ?
YGPの参加スクールの数からもみてわかる通り、はっきり言って日本のバレエ教室は飽和状態。しかも、少子化で生徒集めが今後さらに厳しくなる一方だから先生達が生徒確保に苦戦してるところが多いし、今後増える。
まずどうしたらバレエの先生になれるか簡単に書くと、
2、資金力があれば開業できる
3、バレエスタジオをどこに置くかが鍵
4、バレエの先生は稼げる?
単発の教えの場合(アルバイト)
- お客さん一人当たりの単価報酬=来た人数✖️契約報酬
- 1時間ないし、1時間半の一回のレッスン(教え)の報酬
私はいずれも経験しましたが、駆け出しで、あちこちで転々と教えしていた時は、お客さん一人につき、1500円と言う契約や、一回の教え毎に3000円〜5000円程度でした。それを毎日いろんな場所に転々としながら、日によっては数箇所も周りながら教えをして収入を得ることもあります。
最初の一歩、レンタルスタジオでのレッスン(教え)
私がバレエ教室というか、近所の集会所で最初に自分の生徒を教え出した時は地位も名誉もないので1回1000円で教えていました。もちろん営利は出ません。
この20年間、バレエの先生達の世界を見てきたバレエコンクールと生き残りをかけた作戦
=昨今の日本でバレエの先生として生計を立てるためにはに多くの場合、生徒のコンクール上位入賞が要。そして、その後の海外留学がセット。
どんなに基本を!無理をせず!と言っても結局、保護者はコンクール入賞者が多い教室に子供を移籍させることが増えてきています。
小学校低学年の子達にバレエが身体に与える影響を真に考える先生とコンクール入賞ありきのバレエ教室では教え方が180度異なってくると思います。
私は個人的に小さいうちから過度なトレーニングをすることは低身長を促しかねないので、推奨しませんが、現状の日本では後先考えず、「今」のコンクール入賞に全てを賭ける保護者及びバレエの先生が多いように思います。
だから、フランスのバレエと違って(フランスは7歳までは「バレエ」を教えてはいけない)、日本はかなり競争が厳しい。資金力がなければバレエの先生として生き残るためにはいかにコンクールで結果を残せる生徒、海外留学をさせるかが必須。
日本各地の有名なバレエ教室は生徒のレベルを上げるために海外から有名な先生を招待して生徒のレベルアップを図るところも多い。(そうすると、海外のバレエ学校とのコネクションができたりして、生徒の中には自分のスタジオでのレッスンをきっかけにコンクール本選で目に留めてもらって海外のバレエ学校に行けるチャンスを掴みやすい)
そうして、生徒がコンクールで1位を取ったり、有名な海外のバレエ学校のスカラーシップなどを取ると新規生徒が増えやすい。
もし、私みたいにO脚の内股の生徒ばかりが入ってきたらゲンナリしてしまうと思う。 全然賞取れないから実績作れないし、美しくないから看板にならない!!
🩰現代のバレエの先生の工夫 その1 〜コンクール運営〜
最近、バレエの先生方の中には有名なバレエダンサーと組んでコンクールを運営する方もいます。コンクールは当たれば一回でかなりの額を儲ける事ができますが、参加者が集まらないと赤字が残ることもあります。今の時代はバレエのコンクールに海外留学への切符はつきものなので、いかに良い学校と提携できるか、どんなスカラーシップがあるかが鍵になってきます。
→経営能力があって、人材を集められるのなら収入を得る手段としては悪いことではないように思います。
🩰現代のバレエの先生の工夫 その2 〜バレエショップ提携〜
広い敷地を持っている先生であれば、バレエショップが教室と直結している場合もあります。ここフランスでもパリのバレエ教室にはバレエショップがお教室の中に入っているところもあって、足りないものや急に必要になったものを買えるのでとても便利です。
→バレエ教室毎にオリジナルグッズを販売すればさらに、生徒たちの一体感が増すので相乗効果とも言えます。
まとめ
開業資金さえあれば簡単にバレエスタジオは作れるし、「私はバレエの先生です。」と名乗れるけれど、いかに素質のある生徒を育てられるかが鍵となってくる。
余談:不器用な私がバレエの先生として生き残れた理由
- 単純にバレエを辞めなかったから。
→ 周りの才能ある子達は早々に見切りつけて辞めていった。- バレエの道にしがみついていたから。
→ バレエ以外やりたくなかった。- 時代(90年代後半〜2000年代前半)が助けてくれたから。
→ どうにかなると思ってた。- 自分にしかできない指導の仕方があると自分を信じていたから。
→ O脚で苦労してた。バレエの才能は残念さけどなかった。- 根拠のない自信だけを持って生きてきた ← 結構大事!
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