🇫🇷バレエ鑑賞で感じた移民の中の移民である私たち母娘

先日、フランス国内でも有数の「移民の街」に行くことがあった。

教会巡りが趣味な私はサン=ドニには結構行くから(マリー・アントワネットをはじめ、フランス王家の人たちが眠る教会、Basilique Cathédrale Saint-Denisがある)、イスラムの男性だらけの中も、ヒジャブやブルカ(本来フランスでは禁止だが、サンドニには多い)の女性もわりと慣れている。

けど、今回行った街はちょっと様子が違った。

アフリカ系、インド系、パキスタン系、東ヨーロッパ系、ベトナム系のとにかく貧しい人たちが多い地区。夫曰く、ベッドタウンであると言う。でも、日本で想像するベッドタウンではない。

朝5時くらいから仕事に出て、夜まで働く肉体労働者が多いらしい。要は元々のフランス人が好まない仕事を請け負って肉体労働をしているのがこの街に移民としてきた現在フランス人たち。ここにはすでに2世、3世が住んでいる

RERの駅沿いにある街で、パリが近いのだが、駅周辺の様子もパリのたとえば、メトロ6番線とは様子が全く違う。

6番線もエッフェル塔最寄りのBir-Hakeim駅は、高架下でエッフェル塔のキーホルダーを格安で売っているアフリカ系の人たちがいるけれど(警察来ると袋抱えて一目散に逃げる)、基本的には富裕層が多く住むエリア。隣のPassy駅なども落ち着いた街並みで、貧困層の暮らしとは無縁の地区。

パリ市内の貧困地区だと正規長期ビザを持たない中華系の売春婦達が単身で、BelleVille と言うパリ19区と20区の中間くらいの場所に集団で多く暮らしている。

下記は「Bellevilleの中国人女性達」と言う2006年のフランス語のドキュメンタリーである。

ここには一度だけ、2年前の2024年に夫と行った事があるが、1人ではまだ行けていない。

夫は仕事の都合上パリ中を回っているが、ここで、何度か年齢のいった娼婦に声をかけられたと言って憤っていた。ここの娼婦は若い美しい女性ばかりではない。下記の二個目のドキュメンタリー内で不法滞在者が語っているように、中国本土に夫と子供を残して、フランスで娼婦として働かざるを得なくなった人もいる。(下記は全てフランス語のドキュメンタリー

下記のドキュメンタリーは

「売春、治安の悪化、不法移民:パリが抱える問題」

と言うタイトルで、だいぶ前(コメントによると20年前のもの?)らしいが、現在も何も変わってないというコメントが見受けられる。夫もそこは昔はアフリカ系、アラブ系が多かったが、現在は中華系が多いと言っている。

私たちが先日行った街の話に戻ると、(そこに行った理由は劇場だったのだが、)劇場の外で待って列に並んだ途端、私たちの前で家族と列に並んでいたアフリカ系の家族の10歳くらいの男の子が私と娘を見るなり、驚いて漫画のように口をあんぐりと開け、アメだか、グミだかを落としてしまい、そのまま一点、私と娘を交互に見続けていた

彼には悪気はない。ただ、私達という珍しいタイプの人間を見たのだった。だから、差別ではない

ただ、自分たちとは違う知らない言語を話す移民がいただけ。

それに、彼らは自分たちの事を移民とは思っていない。

理由は簡単で、そこで生まれて育ってるから根っからのフランス人で、家族内では別の言語(アフリカの言葉)を話すけど、玄関の外に出れば、フランス人であり、むしろ、私と娘が移民であり、外国人。

私と娘は日本語を話していたのだが、多分、ベトナム系が多いこの地区でも日本語は聞いたことがなかったのだろう。その後、劇場の扉が開くまでの15分ほどをほとんど私たちがから目を逸らさないその少年の物珍しいものを見るような様子に見守られながら列に並ぶほかなかった。

以前、アフリカのとある国に旦那さんの仕事の都合で家族で赴任していた私の知人(要は駐在)が言っていたのは、アフリカのデパートのようなところを私の友人家族が歩くと、「ニーハオ」と声をかけられるのは当たり前で、遠慮とかそう言うものはなく、ジーッと見つめてくると。

そこに東洋人がいるのは珍しいから。彼女曰く、

「うちら、動物園のパンダ状態!」と。

先日の私たちもそれに近かった。フランスに住んでいる大人のアフリカ系の人たちはそこまでは見てこないものの、子供達は遠慮なしに見つめてくる。

そして、

「ああ、私たち日本人というのは、フランスにいる移民の中でも特に、移民なんだな。」

と思わずにはいられなかった。

夫も逆バージョンの経験がある。

彼の前妻の国である中国に行った時、白人男性がよっぽど珍しかった元妻の親戚や知人が彼の腕を触ったり、ジロジロ見たり、共産党員である彼女の母(だから、一人っ子政策の時代にも関わらず、前妻には兄弟がいる)の家に誰かの通報によって警察が来たり(別に悪いことをしたわけではなく、外国人と言う理由)…

忙しかったらしい。

治安の悪い場所も、美しいパリの街並みがあるところも全てこの目で見ないとわからないと思って、好奇心からできる限り色んなところを歩くようにしているが、先日行ったこの街はサンドニ行きのバス以上に衝撃だった。(バスには女性は子沢山のヒジャブの人しかおらず、基本的に男性が多かったからものすごい視線を感じた。)

劇場内は案の定、

上演中に立ったり、座ったり、おしゃべりしたり、手を振ったり、ビデオ撮影したり。

それはパリ・オペラ座バレエの舞台を頻繁に行く私からしたら全く別の世界の、他所の国の劇場に来たと思わずにはいられないほどの客席の光景だった。

けれども、これも今のフランス。

後から、主催者の1人が教えてくれたところによると、観客が劇場というのに来たことがない人がほとんどだから、映画館の感覚できて、食べ物、飲み物を散乱させて帰っていったと言う。

でも、

パリ・オペラ座バレエでは
絶対に見ない光景である。

同じフランスでも、同じフランス人でもパリやパリ近郊でも「地区」によって何もかもまるで違う。

でも、上にも書いたように彼らのほとんどはフランス人である。一番下のリンク参照。

さらに衝撃的だったのは帰り道、インド系?パキスタン系?の結婚式帰りの車が数台、クラクションを鳴らしながら縦横無尽に走っていたため渋滞発生

クラクション鳴らし続けながら走行するのはフランスでは当たり前の光景で、何度も見るのだけど、驚いたのはドレスを着た数人の女性達が全開にした窓に腰掛け、上体を外に出した状態で車外に出し(腰から下は車の中)、何語か分からない言語で叫び続けていたこと。

うちの近所のど田舎ではあまりに見ない光景で度肝を抜いたけれど、フランス生活が長い人たちに取ったら

「昔からパリやパリ近郊はこうだった。」

と言うことなのだろう。

日本も今、パキスタンをはじめとする国々から移民を多く受け入れている。

今後、そんな彼らが、帰化し、今のフランスのような状態でここは自分たちの国だから、何をしてもOKと言うことでクラクション鳴らしながら、車窓に腰掛け、結婚を祝っていたら日本の警察はどうするのだろうとふと思った。

フランスでももちろん、車窓に腰掛けるのは禁止であるが、すでに移民が多いため、左派が多いサンドニなどでは警察の手が行き届かない場所もある。(すでに自分の国の国籍は残して、フランス国籍も取得している人が多いから選挙権があり、自分たちに有利な政権に投票できる)

フランスといっても私が住んでるようなのどかなど田舎もあれば、パリのキラキラした場所、移民の多いパリ…様々である。

私も外国に住む一移民として色々と考えさせられる今日この頃。

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Yoshiko

元シングルマザー&元クラシックバレエスタジオ運営・代表講師。フランスの大学に行くため一念発起して長期学生ビザ(visa étudiant)を取得して母娘でフランス移住🇫🇷一度目のフランス長期ビザ却下をえて、現在パリ郊外で田舎暮らし中。

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