🩰学歴を追うか、バレエを突き詰めるか、大人バレエと40代の大学生。

⭐️「学歴がないと人生の選択肢は広がらない」そう言い切れるシンプルすぎる理由(ダイヤモンド・オンライン)

上記の記事にあるように、学歴というのは一般的にはフィルターとなる。日本の一流企業に就職したいと思った時に、「学歴」がないと通過点である一流企業に就職のための応募もできないことが今だに多い。

数年前の記憶でうる覚えだけれど、バレエダンサーの方が何かに対して、

「カネ、カネ言うなら官僚になれよ!」

と言うのを拝見したことがあった。

でも、実際問題、

バレエで挫折した子達や自分の人生ほぼバレエしかやってこなくて、30代そこらでバレエ人生に生き詰まった人たちは官僚になる資格すら持ってない人がほとんど。

なぜなら、バレエダンサーやバレエの先生の多くは中卒、もしくは高卒が多いから。

でも、生活には
困窮する現状がある。

今もし、バレエの先生として、

バレエ人生はお金には変えられない素晴らしいものである。
だから、お金を稼ぐ目的ではない、カネに執着してるやつは芸術家として端くれでしかない。

と言っている方がいたとすれば、それは勝者の理論であると思う。

一般常識的に言うと、

最低限のお金がないと生きられない。

それに反して実際、バレエの先生ともなればブランドに身を包む方も多い。YGP Japanの裏側に行ったらよくわかると思う。

つまり、バレエダンサーはお金を稼がなくても当たり前、でも、バレエの先生となったら稼ぐのが一般的。

大きな矛盾。

どうして日本のバレエ界全体が、

「お金を稼ぐのは悪ではない」

と言えないのか。

社会人として当たり前のこと。

好きなブランドに身を包む事は悪い事じゃない。

男性なら好きな車やバイクを買えるかもしれない。

多くの海外のダンサーたちはハイブランドがスポンサーとなって、そのシーズンのオープンニングパーティーに出席している。

やっぱり美しい人たちが、美しい服に身を包むのは全くもって悪いことではない。むしろ目の保養になって良いし、若い子達がもっと夢を持てると思うし、私はそう言う華やかな世界をインスタ等で見るのは好き。

私自身「バレエが人生」で、それしかやってこなかった1人。

そして、かく言う私も大学に行く意味を見出せなかった。

私の高校時代はバブル経済が弾けて間もなくの頃で、まだ日本社会の危機感も今ほど高くなかった。大学に行った友人達の多くは大学で勉強をすると言うよりも学歴を持つために国内のわりと名の知れる大学に行って遊んだり、バイトに明け暮れていた。

私はデンマークの高校留学から帰ってきた直後で、バレエだけがやりたかったけれど、高校全体の雰囲気が全員受験!だったからその空気に飲まれて、一応受験をする艇を取った。

けれど、何の因果か、2月の受験前日、バレエのレッスンの帰り道、体調不良で途中の電車の駅で倒れ、結局唯一受ける予定だった大学の当日も見事に体調を崩した。

どうにか受験会場まで行ったけど、問題用紙配布直前で気を失いそうだったので、フラフラになりながら医務室に連れて行ってもらい、母が来るまで医務室で点滴を打ってもらった。

帰りの時間はちょうど受験生達がテストを終えて帰る時間。私は母に寄り添われながら受験会場を後にし、その後数日寝込んだのだった。

結局、受験代が点滴代になった。

今でも看護師さんが点滴苦手で意識を失いかけの私の腕の血管が探せなくて注射針を何度も刺し直していた事を覚えている。

そんなこんなで今の今まで大学に通ったことがなかった私。

今は学べることが嬉しいし、バレエに限らず「踊り」を吸収できることが楽しくて仕方がない。

学ぶことに年齢は関係ない、とよく言われる。

まさにその通りで、若い子達に混ざって学びの機会を得られることに感謝している。

気持ちとしては多分、「大人バレエ」の人たちに近いと思う。なぜかと言うと、大人からバレエを始めてバレエダンサーを目指すのは無理だけど、自分の学びを深めることができているはず。

私は、今からフランスの大学を卒業し、学士の資格を得られても今から新卒採用で官僚になることはできない。

多分、年齢的に応募資格さえない。

ただ、自分が学びたい、追求したいと思うから大学に通っている。

そう言う意味で「学び」の形として何か似ている。

大人バレエの熱心さが騒がれる昨今だけれど、私も同じ中年女性。47歳で大学生学士生となり、48歳の今、若い子達に助けられながら異国の地で勉強してる。

もしも、「大人バレエの在り方」について語らう場で、私がフランスの大学で学ぶ意義をどうのこうの言うバレエの先生がいたら、声を大にしておばちゃんでも大いに学び、吸収出来ることはある!と言いたい。

吸収力は全くもって最新型のスポンジじゃないけれど!

実際、先日私がフランスで代行とし数日間、緊急のバレエの教えをした時、「フランスの大人バレエの方」の熱心さに心打たれた。フランス語が完璧には程遠い私の言葉をどうにか理解してくれようとして、それを元に一生懸命、自分のポジションを修正をしようとする大人バレエの人たちの姿があった。

やっぱり、バレエは言葉なくても人をつなげる力がある素晴らしい芸術なのだと改めて感じた体験だった。

話は大いに脱線したけれど、日本における学歴問題。

若くないとできないことも多い。

バレエでコンクールに出過ぎて燃え尽き症候群のようになってしまうことだってあり得る。(大学受験のよう)

もちろん、バレエダンサーになりたいのに若くして無理矢理大学に行く選択をしてしまったため、自分の夢を諦めることになる子がいたらそれは本末転倒だと思う。

でも、もし、ある程度自分のバレエに見切りを付けて他の道を探そうとしている若い子がいるのなら日本の大学でも海外の大学でも進んでみるのは悪くない。

なぜなら、上記の記事にあるように自分の道の幅を広げられるから。

特に、一流大学というところに若いうちに入学できるのであれば、さらに自分の道の幅は広がる。

例えば、以前からよく記事も書いているけれど、世界大学ランキング3位のスタンフォード大学にはバレエ団があり、ここにはYAGP NY決戦のファイナリストも数名所属している。

だから、人は本気になれば両立は可能。

自分に甘くすること、言い訳を連ねる事は簡単にできても、厳しい道を実行するのは自分を制しないとできないことで、それはバレエと「本気」で向かい合ってきた子になら、容易にできることだと思う。

バレエと本気で向かい合ってきた子達は精神力、体力、自制する力に長けている。

これは長年のバレエ講師の経験で生徒達を見てきて感じたこと。

バレエ半々、勉強半々ではなくて、

バレエ全力、勉強も全力。

そういうことを乗り越えてきた人たちは世界を見渡せば結構多い。

パリ・オペラ座バレエにもやっぱりいる。

日本でバレエという厳しい人生を選択しようとしている若い人にこそ、自分の人生について甘い意見に惑わされず、本気で向かい合って欲しい。

以下は、パリ・オペラ座バレエ団に所属していたセバスチャン・ベルトーがフランスの国立機関であるグランゼコールの一つ、パリ政治学院で学んでいたことを書いた記事。

パリ・オペラ座バレエ学校の子達も高校卒業率は100%で、バレエと勉強の両立をしている。

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