もう30年前の事だから時効だと思って書いている。男性には分からないバレエやってる子の胸事情。
2025年の今、こう言うような身体的特徴や不可抗力な事実に対して揶揄する先生がいない事を願って。
もし、令和の今日の時点でもこう言うような人の容姿を揶揄うようなバレエの先生がいるなら今は何かしらの手段が取れると思います。
勇気を持って、周りの信頼できる大人に相談して下さい。
もし、自分のお子さんが信頼していたバレエの先生に実はこんな事を言われたら親としてどんな気分でしょう?
私が若かった時の出来事。バレエのレッスン中、先生からセンターのソッテで
「オッパイ揺らさないで!」と。
一般的には普通体型、バレエにおいてはポッチャリ体型だった私に対してのある一言。
その後しばらくみんなも笑っていたけど、心の中ではショックだった。
どう頑張っても胸を痩せさせるのが当時の私には不可能だった。
バレエ界では胸が大きい事はコンプレックス以外の何ものでもない。
ひたすら邪魔だった。
私は高校くらいから言われ始めた。
シャンジュマン!
高く!
アンデオール!
オッパイ揺らさない!
え!?
それは…コントロール不可…😱
サラシでも巻くのか…?
他の記事でも書いてるように、私の若い時のバレエ人生は順風満帆じゃない。
でも、ひたすらバレエが好きだった。
矛盾。
自分でもよく分からなかったけど、とにかくそこにしか自分の居場所がないと思っていた。
「お前とろいんだよ。」
「相変わらず、お前、覚え悪いなー。」
そんな事を言われてもバレエにしがみついていた。
バレエが上手かったわけでは決してない。
ましてやスタイルも良くないし、身長も日本女子の平均身長。
脚が長いわけでもなく、細いわけでもなく、小顔なわけでもない。
元々のO脚がバレエで直るわけでもなく、使い方によっては悪化する。
そう、胸も当時は結構あった…。
それはコンプレックス。
でも、しがみ付いていた。
今、ここ、フランスに来てなぜ私がそこまで踊りに執着していたかが分かった気がする。
そこでしか自己表現をする場所がなかったから。
私が今いるフランスの大学にはそんな人がたくさんいる。自分の表現する術を探している人達が。
人の前(殊に大人の前)で意見を言うと自然に悲しくもないのに涙が出てきてしまうほどの緊張症だったのに、舞台は大好きだった。
踊る事で自由になれた。
でも、そんな私の「脚」は驚くほど捩れが生じている。O脚もある。
だから、美しい脚のバレエ先生達がこうやって立つ!と説明してくれても全然そんなふうにならない…。
と言うことが日常茶飯事だった。
おかげで成長期、高校生の時の私の太腿は本当に「太」腿だった。
20歳過ぎてバレエ講師として各地を転々と巡りながら教えやってるうちに、だんだん筋肉の使い方を自分で修正してきたけれど、当時はまだそんなに整体とか、バレエの先生達の指導もそこまで具体的じゃなかった。
だから、私のような骨盤、付け根から歪みが生じているような脚の子の苦労は脚のキレイなバレエの先生達は分からなかった。
そして、前述の「胸」問題。
華奢な体つきの人が多いバレエ界。
当時、胸が大きい先生は見たことがなかったから、コントロール不可な要素については先生達も把握できていなかったのだと思う。
でも、自分でもバレエにおけるコンプレックスだと思っているこう言う身体的特徴に対しての指摘は1番心に弓矢のような言葉として突き刺さる。
若いうちは特に。
それが自分が信頼してる先生ともなれば、さらに…。
私はバレエの先生達を尊敬し、信頼していたけれど、どんなに先生が私の脚の向きを直してくれようとしても先生の足のようにはならない。(当時、私の周りには脚のラインがキレイな先生しかいなかった。)
どうしたら膝とつま先が同じ方向に向くのか…「どうしたら?」と言う私の疑問に答えてくれる当時の指導はなかった。
なぜならバレエは本来、条件がいい子がやるものだから。
バレエに全く不向きな体型の子には先はない。
それは、当時の先生達も分かっていたと思う。
そんな事はつゆとも知らない私は、
「バレエをもっと上手に踊れるようになりたい!」
の一心で無理矢理捻って表面的なガチガチの筋肉で耐えるしかなかった…
結果、太腿は巨大化。
軸はブレブレ。
足は太いのに軸はない踊り。1番観たくないタイプ。私が嫌いなパワーで踊るタイプの踊りしかできないのが自分自身だった。
だから、自分で生徒を抱えてサークルとして始めた時から特に、生徒には変な筋肉をつけてほしくない一心で、育ててきた。
バレエに関する本を読み漁って、それ以外の人体の本もにらめっこして…
何度も何度も子供達に変な筋肉付けるなー!と叫び続けた。
その甲斐あってか私の教えてきた生徒は身長が高い子が多い。もちろん全員とは言わないけれど、私が見惚れるくらい綺麗な脚の子も多かった。
私のバレエ講師の経験の中で、この子は完璧なバレエの条件が揃ってる!!!と驚いた子は片手に簡単に収まるくらいしかいないけれど、それでも条件がものすごい良いわけではないけど、多くの脚のラインがキレイな教え子達見ると嬉しくなる。
私のような脚にならなくて良かったって。
これは一概にバレエだけでそうなるものでないのは百も承知の上で、バレエの週の回数だったり、生活習慣だったり、遺伝要素だったり…と様々な要素がある。
特に今夏、帰省した際に以前の教え子達にたくさん会ったのだけど、子ども達に囲まれた私は小さかった…。
自分にはなかっともの、なし得なかったものを子供達が私の経験を通して吸収してくれた。
それが嬉しかった。
彼らの多くは今はバレエから離れて自分の道を進んでいっているけれど、脚がキレイでコンプレックスになる事はほぼないと思う。
そう願う。
私が長年抱いていたような文字通り「胸」の突っ掛かりは男性のバレエの先生には到底理解できない事だろう。
ハラスメントというのは女性ダンサーにも男性ダンサーにも存在するけれど、セクシュアルハラスメントは殊に、女子が受ける場合が圧倒的に多いのは事実。そして、隠されがち。
ちなみに、2人の娘を母乳で育てた結果、今は胸がなくなって、私的にはスッキリしている。
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