フランス🇫🇷プロのダンサーを目指す生徒と大学の授業(座学)を受けて驚いたこと

フランスのコンセルヴァトワール・パリの子達と授業を共にする機会があった。

そこで驚いたのはこのフランスのコンセルヴァトワールの子達(学士を取る目的の学生)も踊り同様に、ダンスの歴史を学び、理解し、発表する能力を持ち合わせているということ。

フランスで、ダンスの歴史を学ぶ上で重要人物の1人にマリー・ウィグマン(1886-1973)という人がいる。日本でバレエをやっている子たちの中で、この名前を聞いたことがる人たちは果たしてどのくらいいるのだろう。

マーサ・グラハムやマース・カニングハムが影響を受けた人物で、その当時のダンス界では唯一無二の存在だった。

下記サイトから訳:しかし、アメリカのダンス評論家エドウィン・デンビーは1944年に「イサドラとフォーキンによる<ダンスモダニズムの>最初の勝利、ニジンスキーとメアリー・ウィグマンによる最も大胆な勝利…-これらは歴史の事実です」と書いています。ウィグマンの勝利が今日の歴史のより明白な事実だったらと願ってやまない。
https://www.alastairmacaulay.com/all-essays/pvf44h19jjvjjyzy731sjcxsbtexyl

日本ではダンス全般の歴史を勉強することはそんなにないと思う。私が若い頃にバレエの専門学校に行っていたのだが、そこではバレエの歴史を学んだ。でも、ダンス全体ではなかった。

現在のヨーロッパ、今回の場合、私が間近に生徒たちを見たコンセルヴァトワール・パリの生徒でさえもかなりしっかりした座学の勉強をしていることに衝撃を受けた。さらに驚いたことに、マーサ・グラハムについて、マース・カニングハムについての深い知識を併せ持っている。

コンセルヴァトワール・パリと言えば、プリ・ド・ローザンヌにも多くの生徒を輩出しているし、日本からの留学生も多く在籍している(私が今回取った授業にはアジア人の姿はなかった)、世界最高峰のバレエ学校の一つ。

ここからパリ・オペラ座バレエ学校に転校する子も少なくない。

そんな生徒たちも、自分の将来のための学びを行なっている。

バレエダンサーになって踊りの解釈を深めるのにも役立つし、いつの日か来る引退に備えているのかもしれない。

授業で教授が語っていたことは、

「ダンサーというのは踊ることに専念しがちで、自らの意見を表現することを得意としない、そこを今後のダンサーとして改善する必要がある。」

「ダンサーはしゃべるよりもダンス。それが問題。」

「コンセプトは徐々に話す訓練をすることだ。」

「それはダンサーに限らず、振付家であっても同じこと。」

と。

YGP Japan 2026まだ日が浅い今日だが、先日、クラシック部門の参加人数を見て再び驚いた。

990人。

2025年度が967人、

2024年度が956人。

日本全体のバレエ人口は減っているのにYGP Japanへの参加人数は微増している。つまり、日本のコンクール熱、何か結果として証明されたいという思いがコンクールでの上位入賞を目標にという形で表れている。

でも、実際、18歳以上の日本のバレエダンサーとフランスのバレエダンサー。

「踊り」に関する知識量、

絶対的な「基礎力」、

人前で堂々と話す力、

表現力、踊りに対する解釈、その年齢でのバレエの技術を比較した時にどのくらいの日本の若いダンサーたちが確固たるバレエの教養を身につけて、踊りという中の表現力に変えているのだろう。

10代前半から半ばはコンクール一筋に踊っていたとしても、月に一回のペースでコンクールに出てたとしても、一般的に考える目的はコンクールダンサーじゃないはず。

どこかプロのバレエ団に入って、観客に喜んでもらえる、感動してもらえる踊りを見せるのが目的なはず。しかも、多くの場合は皆、海外での入団を希望していると思う。生活のために。

今回のコンセルヴァトワール・パリの学生との合同授業で分かったのは、どうやらフランスにはそれを多角的に学ぶ環境があるらしい。

「大学」ではなく、コンセルヴァトワールに。

日本のように、先生が手取り足取り教えてくれる事は少ない。

それでも、自分から学ぼう、取り組もうとする若い世代の人たちには手を差し伸べる環境があるように思う。

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