7月頭までBac(高校卒業認定試験)が続く高校生達。
そんな中、娘が留学する機関の留学前最後の会合があった。
早い子だと7月下旬にはそれぞれの国に旅立ってしまうためBacはあるけれど、この時期に行われるオリエンテーション。
選考会の時同様、一泊二日で留学する前の心構えを聞いたり、心境を話したりする大切な集まり。
パリ近郊での集まりだけど、子供達はフランス全土から集まってくる。
うちは幸い、車で1時間程度だけど、この一泊二日の9時集合のためだけに金曜日の夜出発、夜中パリ着の家族や当日の朝5時台のTGVで来る子やら…。
集まった子達のご両親と話して分かったのは、ほとんどの選出された子達がパリから遠く、遠く離れた所から来てると言う事だった。
子供達が顔を合わせるのは選考会の時と今回の2回だけ。
そして、各々が選ばれた国に2年間親元離れて寮生活を送るボーディングスクール。
この留学機関には二つの選出の仕方があって、フランス委員会を通して行くか、インターナショナル委員会を通して行くかの二択。
世界中100ヵ国以上に広がるボランティア委員会だけれど、日本にはそのボランティア委員会がない。
一つの社会法人が選考を賄っている。
学校は世界に18校。
その一つが日本にもある。
また、試験内容の違いを書くと、
日本の選考は
書類選考+英語(英検などの証明書)、数学と国語のテスト+面接があり、高一の一回限りのチャンス。そして、校長推薦をもらう際に一部の私立高校ではこの留学機関に応募するのであれば退学をしてから応募を促す高校もあると応募サイトに書いてある。
フランスは
書類選考を通過後、一泊二日の選考会があるのみ。年齢も留学時点で16歳から18歳までなら可能で、多くの子が高校2、3年生での申込みで、その間、2回まで挑戦できる。また、校長推薦ではなく、他の推薦者を数名立てる必要がある。
つまり、日本とフランス、行き先は同じでも選考の仕方が全く違うし、年齢も異なる。
ちなみに娘の通う公立高校の場合、担任の先生が確実にビザが取れて出発するまで高校に籍を残しておくという安全牌をとった方が良いよとアドバイスをしてくれた。
2通りの選考方法
各国の委員会(日本の場合は社会法人を通して。)と国際委員会の2つがある。
各国の委員会を通して行く場合は基本的に国は選べないけれど、各家庭の収入に応じた奨学金が得られる。
国際委員会を通してグローバルセレクションで行く場合は国は選べるけれど、奨学金は得られない。
いかに人とコミュニケーションを取る能力があるかを重要視するフランスと成績重視の日本。
フランス委員会から選出されている子達はすでに英語が堪能な子が多く、特技も経験も様々な子が多い。(プロ並みの特技を持っている子も多い。)
またいろんな価値観を認め合うことに委員会の大人達も抵抗がなく、今年の選出された子ではないけれど、ヒジャブを被ったイスラム教の子や我が家のように国籍がフランス国籍ではない子も過去にはいた。
そういう多様な感覚が自分の経験と結びついて、アメリカのアイビーリーグに合格し、現在も通う卒業生の話を聞く事もできた。
私が
「IBが何点あればその大学に入れますか?」
と聞いてみたところ、IB45点満点中、最低点の24点で入った子もいるという話で逆にオプションなしの満点の42点でも落ちた子はいるという話をしてくれた。
つまり、成績や数字というのは目安でしかなく、これまで何を経験してきたか、何を考えているかの方が重要となってくると言う話だった。
日本は今もって偏差値主義で(だいぶ変わってはきているけれど…)、私もその中で育ってきたからどうしても偏差値が高い方や、試験の点数が高い方が大学入学に有利に働くと考えがちだし、日本から選出されている子達の高校を調べると、かなり偏差値が高めの高校に偏っている(もちろん全部ではない)。
※私が30年前に受けた別の高校留学機関も数学、国語のテストがあり、その後のオリエンテーションで出会った周りの子達の高校名に目玉が飛び出した…。
けれど、フランスの場合はうちの娘のような片田舎のちょっと治安が悪そうな高校の子達でも選出される可能性が多いにある。
つまり、今の世界的な動きとしては多分、もちろん成績もある程度取ることは必要だけど、それ以上に人間としてどれだけ魅力的であるか、と言うことの方が重要視されているのかもしれないと親のオリエンテーションに参加して思った。
人間力を高める事で、感性が高まる。
それはバレエにも通じる事で、人間力が高いと踊りの感情表現が豊かになり、観ている側を魅了する力が生まれる。
実際、パリ・オペラ座バレエやイギリスのバレエと日本のバレエを比較した時、日本の場合、感情表現の乏しいバレエ団が多く存在することは否めない。
吉田都芸術監督率いる新国立バレエなどはウィールドン振付のアリスなど感情表現なしでは何も伝わらない物語性の強い、それぞれの個性が強烈なバレエに取り組んで成功している例もあるけれど、稀な例であると思う。
だから今、もし、バレエをやっていて行き詰まってしまっている人がいるのなら、思い切ってバレエじゃない道で自分を一度、磨いてみる事で遠回りながらバレエに対する感情が豊かになるかもしれない。
海外のバレエ学校でも高校認定のあるバレエ学校に通っているのであれば、バレエじゃない留学の形も不可能ではない。
若ければいくらでもやり直しは効く。
自分で行動し、自分で考える力があれば。
いっぱい失敗して、
いっぱい躓いて、
それでも前を見る事でバレエでもバレエじゃない新しい道でも開けるかもしれない。
ちなみにこの記事を読んでいるフランス在住のご家庭があったら、フランス委員会の書類選考の応募開始は10月1日から12月11日までで、一切の延長は受け付けないと言う事だった。
日本のものは経団連のサイトを見てみると分かるはず。
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