🇫🇷フランス田舎暮らしで近所のおじちゃんとの何気ない会話

フランスの羊と畑しかない田舎。

近くの森には鹿、猪、狐、ハリネズミ、リスや野うさぎ、そしてカッコウドリなどの野鳥が住んでいる。もちろん、鷹もいる。

そんなんだから、1時間犬散歩していても平日に村人とすれ違うことがほとんどない。

たまに誰かとすれ違う事があれば笑顔で必ず「ボンジュール!」と声をかける。

走ってる人も、自転車の人も!

近所の人たちは話した事がなくても私たちのことを知っている。

家族構成も、住んでる場所も!

何でだろう、有名人らしい、笑。

そんなある日、犬散歩中に近所のおじさんが話しかけてきた。

「最近だよね?引っ越してきたの。」

「そうです。まだ、3年弱です。」

「あ、もうそんなになるんだ?」

70歳のおじさんは1歳の時に親と一緒にフランスに来た元移民、現フランス人。

おじさんがこの村に引っ越してきた30数年前は村民数300人。しかもまだ村の道路の大部分はコンクリートが張られてなかったという…

村の教会はWikipediaによると13世紀頃に建てられたものだけど、それから800年、この村は大きな変化がなかったと言うこと。

今は人口900人の村の外れ(村から1km先以上)に、もうすぐスーパーができると教えてくれた。

それからお孫さんの話や逆に私が日本の話。

日本人だと言うと、ほぼ全員が好意的に話してくれるのが嬉しい。

なんていう事もない村人との他愛もない会話。そういうのがここには残っていて日本の田舎と似たような気持ちにさせてくれる。

私の大好きな九州の田舎と似ている。

人が温かくて人懐こい。

京間畳の大きな平屋の家と広い庭。

どのくらいの田舎かって言うと、手紙をその田舎に書くと、

「⚪︎⚪︎県⚪︎⚪︎郡⚪︎⚪︎大字」

で確実に届く。

数10年前に群が市になっちゃったけど、大字の後に番地を書き忘れてもちゃんと届いていた。そう言う点で、田舎の郵便屋さんは優秀だななぁと思う(今は違うかもしれないけど)。

ほぼ全員の住所を網羅してて、名前と住所が頭の中で一致している。

そして、私が一番好きだった習慣は親戚のおばちゃんたち、近所のおばちゃんたちも含めて全員を下の名前で呼ぶ事。

今考えるとフランスの田舎に似てる。

近所のおばあちゃんたち同士、キミちゃん、えっちゃん、みっちゃん、せっちゃんとか…

誰も苗字で呼ぶ人なんていなくて、おばあちゃん同士が下の名前でニックネームで呼ぶのが子供心に可愛らしいって思ってた。それに、方言が混じって更に可愛さ倍増。

それぞれがきっと、70歳とかそれ以上のおばあちゃんたちだったはず。

でも、とても可愛らしかった…。

道の駅に野菜と並ぶ饅頭もたとえば、「すみちゃん饅頭」みたいな感じが美味しそうで思わず即買いしてた。

ここのフランスの田舎には残念ながら道の駅どころか、野菜販売所もないけれど、私がその近所のおじさんと話し合ている間、わずかな通りすぎる車が目の前で止まってそのおじさんに「よお!元気か?マダムと話してるのか?」って言う会話が行われてた。

「次の車が来ちゃうよ?!」と心の中で思う私の心とは裏腹におじさんたちは楽しそうに会話を繰り広げている。

結局、次の車なんて数分後にしか来なくて、その車だって私たちの前でまた止まり、そのおじさんに挨拶してる。

おじさんは村のみんなと知り合いらしかった。

フランスの長閑な超ド田舎。

日本のゲートボールの代わりにそこらじゅうでペタングっていうところも似てる。

日本の田舎のどこかでは、こんな長閑なおじいちゃん、おばあちゃんの井戸端会議が残っているのだろうな。

そんな他愛のない会話や人の笑顔が愛おしくて、聞いてるこちらも笑顔になるし、私ももうそんな会話に参加できる年齢!

人と会話すること、知らない人、価値観の全く異なる人の体験を聞くことで新しい発見があったりするのがワクワクする。

春らしい日が増えてきたフランスの田舎、僅かしかない出会いを大事にしながら今日もすれ違った人への「ボンジュール!」は欠かさない。

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