今は90年代のバブル期ではない。私がデンマークに留学していた頃の誰もが羨んだGDP世界一の日本ではない。
90年代と違いバレエダンサー、バレエ関係者を取り巻く生活環境(収入面や福利厚生面)は厳しくなってるのに日本のバレエ界はダンサーもバレエ教室も飽和状態。それを未来のバレエダンサーには考えて欲しい。
だから、
周囲の
何と無くあなたはバレエの才能があるから…
バレエに向いているから…
と言う罪のない言葉が、実は子供達をその道に追い込んで苦しめてるかもしれない。
昨今、子供の意思というより、母親(特にステージママ)が自分の子供をバレエダンサーにしたがる人が多くいる。
本当の子供の希望は何??
実際、偉大なバレエダンサーは自分の中に芯があり、哲学を持っている人ばかり。
それは自分の踊りの中に魂があり、見せたいものが内側から湧いてくるから本人は意図せずとも踊りに魂が宿る。
哲学がないダンサーは踊りにはハッキリ言って魅力がない。本当にやりたい事でなかったらそこに哲学を見出すことは難しくなる。
あのフェリシーと夢のトウシューズに出てくるお金持ちのカミーユみたいに。
そして、仮にダンサーになったとしても、バレエダンサーとして海外で成功しなかったら…?
※日本では基本、バレエで食べていけないと思った方が良い。もし、日本で(女子で)バレエダンサーをやっててバレエだけで引退近くまで食べていけるのであれば、それは相当稀な人。
引退後は?
キャリアの途中で大怪我したら?
日本のバレエ界でいじめに遭って精神的に戻れなくなってしまったら?
何の保証もない日本で子供の未来を考えるのは親の責任。
才能があるからと言って
辞めたらもったいない!
と言う言葉で、子供を追い詰めないでほしい。
子供の未来を本気で考えてほしい。
バレエダンサーになるには毎月のお月謝、年に数回ある発表会等の舞台、そしてコンクール、遠征費等、青天井で費用がかかってくる。
だから、親子でしっかりと話し合い、子供が本気でバレエダンサーを目指す場合のみ、親が寄り添うべきだと私は考えます。
基本的に人生をバレエだけに捧げてきた子は、その他の道が探せない。
バレエしかしてないから基本的に世の中のことを知らないし、関わってきた人達も皆バレエ関係。
もちろん学校の友達とかはいるけれど、それ以外は基本バレエの人たち。
夜遅くまでバレエの練習してて翌日の学校の授業中ひたすら寝てたり、学校に行けなかったり。
学校のテストで悪い点とってもバレエがあるから〜で誤魔化すような頭お花畑だけな言い訳。
でも、その子からバレエを取ったら何も残らない危険が孕む。
私が高校でデンマークに交換留学して、最初にできたのがバレエの友達だった。
なぜなら学校では全く理解できなかったデンマーク語を話す必要があったけれど、バレエは踊りが一番。上手に踊れるとなんとなく人が集まってきた❤️
芸は身を助ける。だからもちろん良いこともたくさんある。
いろんなところに飛び込む度胸があったりするのはバレエで培った精神力は並大抵のものではないから。
根拠のない自信で生きる
本当にこれのみ。ツテもスタイルも技術もないのに、バレエ教室を開くのは狂気の沙汰だと自分で思う…。
それでも何百人と言う生徒たちに巡り逢えたのは一重に運が良かったから。
4年生でバレエを始めてはや40年近く、ずっとこんな調子で生きてる。
だからこそ、私は今勉強しているし、未来の若いダンサーたちには自分の未来のためにしっかり勉強して自分でバレエ以外で生きる道も併せ持って欲しい。
そして本当に自身が職業バレエダンサーを望むなら自分自身の哲学を持って活動していかないと観客に何も伝えられない。
踊りが上手であればそれで良いわけではない。
そこにどういう解釈が存在するか、
どういう哲学があるかが大切。
それによって観る側に感動を伝えられる。
真の観客は表面上の技術的な巧さのみを求めてるものではないから。
私のように、子供の頃はバレリーナを目指したけど大人になる過程で自分のスタイルや技術と直に見つめ合った時にその道を諦めた人は少なくないと思う。
私よりバレエが上手な人は何百万人もいた。
でもその大半が子供の時に辞めていった。
それも一つの非常に賢い選択。
自分の技術力、バレエに対する想いをよく踏まえた上で経済状況悪化の日本の中で、どうやって生活していくかをよく考えていかないとフリーターと言うポジションでは税金の支払いだけで首が回らなくなってしまう現実を見てほしい。
海外に出て活躍できるのは一握り。たとえバレエ留学をしたとしても。
※日本の女性バレエダンサーは職業としての収入がほとんどないから、バレエもやってるけどアルバイトも掛け持ちしてるフリーター要素が強い。福利厚生、厚生年金などもない。
だから、バレエを取るか勉強をとるかの二択ではなくて両方とも最大限にやれる人になってもらいたい。
そうしたら、きっともっと高いレベルでバレエの感性も磨かれていくはずだから。
🩰日本でバレエを続ける事の現実 |
🩰バレエで生活できない/国内のバレエダンサーは仕事として食べていけない 🩰日本バレエの隠された闇と現実ー未来のバレリーナ・バレエダンサーにー 🩰バレエの先生になる方法は? 🩰バレエを習うメリット&趣味からプロを見え据えた時の現実 🩰挫折だらけのバレエ人生、元バレエ教室経営者の次の未来 |
- 2025年5月
- 2025年4月
- 2025年3月
- 2025年2月
- 2025年1月
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年9月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年6月
- 2023年4月
- 2022年11月
- 2022年6月
- 2022年4月
- 🩰フランスのバレエ、日本の能。国が守った芸事。世阿弥の説いた骨肉皮から学ぶ事。
- 🩰フランスの大学で踊りとは何か?自分の意思表明とは?を考えさせられた。
- 🩰🇫🇷表面的な踊りには「見せかけの心」しかない。踊ることとは?
- 🩰好奇心を持つメリット。スタンフォード大学学生のバレエ団から見る文武両道
- 🩰バレエダンサーになるなら自分自身の哲学を。自分の可能性を広げてほしい。だから学びを!






コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。