先日の授業は「舞踏」について。舞踏はここ、フランスに来るまでというか今の大学に9月に入学するまで何一つ知らなかった。
本当に何一つ…
興味もなかったし、何となく見たことはあっても避けていた。
なぜなら、異質な物に思えたから。
でも、ここでクラシックバレエ以外のダンスを学ぶうちにだんだん興味が湧いてきて、自分でも調べるようになった。
そして先日の授業、3時間ほぼノンストップで舞踏の事。日本人の名前が先生の口からアルファベットで出てくる出てくる…!
土方巽を筆頭に大野一雄、カルロッタ池田、天児牛大、麿赤兒(息子さんも有名な俳優さん)、笠井叡、和栗由起夫、田中泯などなど…主要な人達だけでもこれだけの名前がホワイトボードに書き出された。
そしてビデオも数本観た。
それについて感想を求められたクラスの子の中には、
見るのがキツかった。
気分が悪くなった。
などなど…
好印象とは言いがたい評価。
だから,私、教授に聞いてみた。
1980年に舞踏が来た時、ヨーロッパの人たちはすぐに受け入れたんですか?と。
すると、間髪おかず
そう!舞踏はヨーロッパでは90%以上の高評価で受け入れられた!
と。キーワードは以下のもの。
・ミラクルエコノミー(経済成長)下の日本
・ヒロシマ(原爆投下から35年)
・新しい見た事のないダンス
・触れた事のない異文化
ヨーロッパの人達には白塗りのほとんど裸に近い日本人の新しい踊りが今までの概念を覆す新しいものだったらしい。
高度経済成長真っ只中の日本の経済はフランス語でミラクルエコノミーと言うのだと今日初めて知った。
ヒロシマ・ナガサキに原爆。そして敗戦後、アメリカの物を全て良しとして,全て欧米に倣えとしていた時代。
ヨーロッパでもヒロシマといえば原爆とすぐに思考が繋がる戦後から急な経済成長を遂げていた60年代の日本。1971年には藤田田氏が仕掛けた日本マクドナルドが銀座にオープン。食べ物もファッションも家の在り方も全てが欧米化に向けて進んでいた。
そこに秋田県生まれの土方巽が日本のオリジナルの踊りを生み出したのが舞踏。
後の暗黒舞踏は三島由紀夫の「禁色」をモチーフにしたものがきっかけとなって始まった。
けれど、初演で見に来てた女性は悲鳴をあげてほとんどが出ていってしまったらしい。
その理由は…
舞台上でジュ・テーム!(フランス語で愛してる❤)と言いながら鶏の頭(本物)を捻って殺した…(殺してないと言う話もあるらしいけど)と言うかなーり過激な作品。
今なら一発アウトだとは思う…
一般の日本社会には受け入れづらい土方巽の舞踏も文学界の大物作家達には受け入れられていたようで、前述の三島由紀夫をはじめ、元東京都知事の石原慎太郎や谷川俊太郎などと交流があった。
暗黒舞踏の活動拠点だったアスベスト館はすでに閉館してしまっているけれど慶應大学に彼の資料が多く集められてると言う…。
土方巽本人はフランスやその他諸外国からの招待は全て断っていたため、大野一雄、カルロッタ池田や天児牛大率いる山海塾などがヨーロッパでは観られていた舞踏。
この舞踏こそがジャポニズムの一つ。
◯土方巽の暗黒舞踏について
https://artsandculture.google.com/story/RQVBF_sJHCrpLw?hl=ja
そして、柔道や合気道や空手などの武道がフランスの地方にも行き渡り、今はフランスの田舎の本屋さんにも漫画が並べられている時代。
食事に関しても日本食は不動の人気を誇る。
フランスきに来て分かったのは思っていた以上に日本文化が浸透しているという事。ファッション界の事は疎すぎてよく知らないけど、KENZOとYOJI YAMAMOTOとかも見かける。
私の住んでる村の知り合いの一人に子供の頃に合気道をやってたという人がいて、その人は合気道創始者の植芝盛平先生の写真を部屋に飾っているのだという。
私が、父が合気道をやっていたという事を話した途端、話が止まらなくなって合気道愛についてたくさん語ってくれた。私自身はこれまた無知で、その人に名前を聞くまで合気道の創始者が誰とか、フランスの合気道界にはたくさんの日本人がいることなど全く知らなかった。
それにしてもフランス人の方が日本の事を多く知っていると言うのはいささか情けないなぁと思う。
生け花や茶道も祖母がやってたのに興味なさ過ぎて作法も何も知らない…。
日本人として、日本の事をもっと学ばないといけないなぁと思う日々が続いてる。
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