🇫🇷フランス、人生は中3で決まる。貧富の差がハッキリ分かれるヤバい高校制度。

フランスの高校は普通高校と職業高校、そして別枠でCAPという専門学校がある。下記の記事でも書いてるけれど、相当な学歴社会で何においても資格、証明書が必要。

だから、バレエの先生もダンス講師が国家資格だったりする。

CAPは結構目的があってそこ道に進む子が多くて、職業的に言うとパン屋とかパティシエ、肉屋(日本だと存在しない部類だと思う)などなど…。

だからその後の人生も自分の努力次第で切り拓ける可能性がある。

普通高校は日本の高校と似ていて卒業後は大学に進学できたり、専門学校に行ったり行かなかったり…自分で将来の職業を選択できる。

ヤバいのは職業高校。

職業高校でもCAPと同じように目的意識を持って入学する子もいて全てが「ヤバい」訳ではない(例えばパタンナー、美容師、情報システム、車の整備士、農家などなど)けれど、職業高校に行ってるほとんどの子が目的意識がなく、単純に成績が悪くて普通高校に行けなかった子が多い。

そうするとどういう目的の職業高校の科が他にあるかと言うと営業、販売、等、その他。

この営業、販売の授業内容が本当にビックリするくらい内容がないし、生徒のモチベーションもない。

高校の授業で習うのは販売の練習、営業の練習の繰り返し。もちろん移民やフランス語が母国語ではない子向けではなく、フランス人向け。(うちのような移民の子向けの学校という程ならまだ理解できるんだけど、ガチ目に勉強できないフランス人向け。)

接客で使うかもしれない簡単な英語(結局話せない人が多いけど)やスペイン語。

お店使う計算のための基礎的な数学。

1年間のうち6週間の職業訓練があって、それが重要になってくる。どこかの販売員としてまたは営業として見習いとして学ばせてもらうのが必須。

しかも学校の授業もしょっちゅうキャンセルになって5時間授業のはずが2時間という日もザラ…。(先生のやる気も…ないらしい。)

その後、Bac pro と言うの卒業資格を3年生で取るのだけど、それは基本的には大学に入る資格はなくてには入れなくて、卒業後はBTSという短大と言うより専門学校に近い学校に通う事もできるけど、ほとんどが就職する。

高校時代に社会(歴史は週1であるらしい)とか、理科とかちゃんとした数学、母国語(フランス語)とかを学んでないからそこから這い上がるのは相当な本人の努力が必要。

でも、高校進学を決定する中学側は普通高校も職業高校も一緒ですよー!と言う事が多い。

なぜかと言うと、多分、

今フランスでは大学を卒業しただけでは就職できない新卒の人が増えているから。だから、学士を取っただけだと希望就職先に就職できない場合も多いから修士取得を希望する学生が増えている。

だったら中学卒業の時点で振り分けよう!というのが政府の方針らしい。

だから、結構な割合の子達が14、15歳の時点で君は大学進学の道に進まなくていいよ、もっと就職が近い道を選んでね!と言うことらしい。

そして今現在のフランス、2024年の国会の話し合いの中で、国立大学でさえ少なくしようと言う方針が出ている。4校の大衆大学(日本で言う中堅以下大学)がノミネートされていて、もしそれが実現すると3000人の大学教授が職を失うことになる。要はこの中堅大学出てもあんまり意味ないよねー?就職率悪いし!という事。

日本もそうだけど、大学出たからめちゃくちゃ稼げるようになる!とか言う保証は一切なくて、本人のやる気次第。

でも、学歴がないと学び続けることが不可能な現実、やりたい職業に就きたくてもBac Pro(職業高校卒業認定資格)しか持ってないからと言う理由で応募できない事もある。ちなみに普通高校を修了する前に受けるフランスのバカロレアで取得できるのはBac Generalと言うもの。(IB、国際バカロレアとは全く別物。)

もっとも、販売や営業の職業高校を出ても自分で独立して店を構えてやろうとする意気込みがあれば、学士や修士を取った人よりも多く稼げるのは日本と同じだけど。

最後に、オペラ座バレエ学校とか、コンセルヴァトワール出身者がどう言う扱いかを書くと、普通高校卒と同じレベルになる(1995年以降)。なぜなら国立の高等機関だから。

その後、バレエダンサーに何らかの理由でなれなかったとしても、大学やグランゼコールに進学することが可能。

パリ・オペラ座バレエダンサーだったセバスチャン・ベルトーは、パリ・オペラ座でダンサーやりながら、パリのグランゼコールの一つであるパリ政治学院(超超優秀な人しか入れない)で、芸術と政治学の修士号を取得して、他のダンスの学校に通った後、ダンス教師の国家資格を取得していると言う恐るべき学歴の持ち主。

もちろん、パリ・オペラ座のバレエダンサー全員がこういった高学歴ダンサーばかりではないけれど、日本のようにバレエか学業かいずれか選択しなければならないと言うことに陥らない制度が確立されている。

それはコンセルヴァトワールやパリ・オペラ座バレエ学校に通う留学生も同じ扱いで、もし、留学でフランスに来てどうしてもバレエの道に進めなくなった場合は語学力(フランス語DELF B2以上)があれば、フランスの大学やグランゼコールに進学し、他の職業に就くことが可能。

だから、日本の将来バレエダンサーを目指す今の日本の若い人たちも、バレエか学業を選ぶと言う選択ではなくて、両方を自分自身の最高レベルで頑張って欲しいと思う。

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