フランスだとフランス政府認定ダンス教師国家資格というのが必要で、イギリスならRAD、ロシアならワガノワメソッドの指導資格。
⭐️RAD
https://www.radjapan.org/examination.html
⭐️フランスの政府認定ダンス講師国家資格
フランスで取得。日本では取得できない。
(でもたまに日本で数週間で資格を取ったという虚偽の人がいるので注意。フランスのダンス講師資格はフランス語がかなり上級じゃないと取れない。)
私のように日本で20年間バレエを教えていたって資格がなければお金をとっての指導は禁止されているフランス。
フランスで今の私ができるのはせいぜい自分の子供達に家で教えることくらい。
じゃあ、フランスのダンスの先生が全員有能かって言うと疑問符が付く。
娘達が習っていたダンス教室で「クラシックバレエ」を習っていたけれど、結局バレエではなかった…
なぜならフランスの場合、フランス政府認定ダンス教師国家資格の専門分野「クラシックバレエ」「ジャズ」「コンテンポラリー」に分かれていて、いずれの専門分野でもクラシックバレエを教えられるけど、「クラシックバレエ」専門じゃない人の「クラシックバレエ」指導は本当に酷い。
プリエの後にグラバットマンがきていきなりポアントレッスンみたいな感じ…。
日本は?
多く普及しているのはワガノワメソッド。
私が幼かった時に習っていたバレエ教室でもワガノワメソッドの看板を掲げていた。
でも、全然ワガノワメソッドでも何でもなかった。
先生のオリジナル。
だから結局、私も含めてオリジナルのバレエレッスンをしてバレエの先生を名乗っている人がほとんどの日本の状況。
でも、ここ数年、特にコロナ前後で海外で数年間ないし、10数年海外で修行をしてきた人たちが日本に戻ってきて指導を始めていてちゃんとしたメソッドが入ってきている。
それでも…
教え方がとてつもなく上手い人もいる一方で自分の学んで来たメソッドはこう!って言うのを欧米人の身体をイメージしながら教えている人もいるんじゃないかと思う。
そうすると日本の人達にはそぐわない場合が多い。
まず、クラシックバレエのメソッドが確立している欧米の人たちと日本人の体型がそもそも大きく異なる。
欧米の人たちの骨盤から大腿骨はまっすぐ立っている人が多くて、バレエをやってない人たちでもバレエダンサー?と思うくらいの佇まいの人たちが大勢いる。
子供達のお友達もそうだし、Balletの綴りをbalai(フランス語で箒の意味)と間違えて書きかねないくらいバレエを知らない私のフランス人夫の脚も典型的なヨーロッパ人の脚。
※フランスではバレエの事を古典ダンスと表記する。
例として夫の話。
きれいな1番、5番ポジションにサクッと入るのは当然のこと、何ならルティレの骨盤が上下にズレずに、床と平行のまま立っていられる夫…。
はっきり言って、ムカツク!
私がどんなに苦労しても、何十年かけても、今でもできない事をちょっとやってみて!と言ったら「こう?」と言いながらあっさりできてしまう骨格…
だからバレエって残酷。
好きでも、努力してもどうにもならない事の方が多いから。
そんな骨格の人たちが多いフランスをはじめとした欧米諸国、バレエの基礎を教えるのは日本ほど難しくないように思う。
後は本人のモチベーション次第。←これが欧米人足りない人多め
2ヶ月ごとに2週間の学校休みがあるこの国(夏休みは2ヶ月間!)で、どうやってモチベーションを保つかが難しい…
だからこそ、たとえば、フランスのバレエでは7歳以前の子にバレエを教えてはいけない。7歳以前はリトミック。
でも、日本で同じメソッドでやったら?
うまく機能しないと思う。
よっぽど骨格に恵まれていて欧米人に負けない骨格を持つ子なら話は別だけれど、日本人の場合、そんな子はごく少数。
欧米の子達より頑張らないと欧米人の基準のゼロのスタートラインにすら立てない場合が多い。
例えばバレエ教室に100人生徒がいたとしても条件の良さそうに見える子は両手の人数いるか、いないかくらい。
その中から努力する子、理解が早い子などがYGPなど有名なコンクールなどで上位入賞者となる。
お教室に100人生徒がいて、100人それぞれに見合った指導をして100人全員がコンクールの上位に入賞するようなお教室は見たことがない。
最初からバレエの条件に見合ってない子は審査員が欧米の先生達の場合、目に止めてもらえない事が多い。
まずは見た目、容姿が重要なのがクラシックバレエダンサー。
小さい顔立ち
長い細い手脚
まっすぐな脚
アンデオールのできやすい脚か否か
足の甲があるか ←これ重要
先生達は皆プライドがあるし、お教室の看板もあるだろうから、自分の教室の名に恥じない子達を有名なコンクールなどに出場させる事が多い。(小さいコンクールは話がまた別)
顔が大きかったり、O脚だったり、脚がちょっと太かったりする子が有名コンクールに出たいと言っても名の知れたバレエ教室の先生達はバレエダンサーの条件に当てはまらない子達をコンクールに参加させるのか…分からない。
名の知れたバレエ教室で有名なコンクールに出れるのはある程度、元の条件がいい子達が多くて、だからこそ上手な子がさらに成長していくチャンスに恵まれる。
そうじゃない子には厳しい。
じゃあ、そういうバレエ教室の先生達が全員、バレエ国家資格的なものを持っているかというとそんなことはないと思う。
海外で厳しい修行をしてきた人たちが多いのは事実だとは思うけれど、全ての先生がそうじゃない。
自分で研究して国内にいながら生徒達を成長させている先生も多くいらっしゃる。
バレエ講師の国家資格を日本に導入しようとしたところで結局どこのメソッドにするか問題だし、たとえ日本人な好きな人が多いワガノワメソッドにしたとしてもロシア人のような動きが日本の一般的な体型を持つ子に合うのかというと疑問が残る。
本物のワガノワメソッドに適応できる体型じゃなかったらその子はどうなる?
1、欧米のように早目にバレエダンサーは向いてないと告知する???
2、適当に流した感じの教えをする???
だいぶ以前だけど、ワガノワメソッドを推奨して、ご本人もロシアで経験を積んだという男性ダンサーのレッスンを受けた事がある。
その時、
「僕のお尻のエクボが見えるよね?1番で立つ時、ここを使って!」
と仰っていた。私が子供の時に習っていた先生も「エクボができるようにお尻しめて!」って言ってたけど、私が指導するようになって思う事。
エクボは出しちゃダメ👎
そこの筋肉使っちゃダメ。。。
でも、これが自分が学んだワガノワ!っていう人もいるのかもしれない。
また、他の有名な先生のレッスンを見た時に
「ワガノワは素晴らしいけど、オペラ座は下手くそなんだよ。理由はバーを持つ時の手の動きが…」
と、ワークショップに来ている子供達に向かって持論を展開されていてワガノワを褒め称えて他のメソッドを下げるというレッスン。
未来ある子供達に良い影響をもたらさないように思う。
フランスは世界で最も古い1661年にバレエ学校が作られた歴史ある国だし、ロシアはそのフランスで人気が衰えたクラシックバレエのメソッドを長年にかけて発展させてきた。
今はイギリスが人種問わず色んな肌の色のダンサーが活躍できる場となって様々な人種の人達が高い技術を持って世界をリードしているし、それぞれの国の良いところがそれぞれの国で学んで来た人なら理解できると思う。
だから、今の日本で統一したメソッドでバレエ講師の資格を持たないと指導できないとなるとどうなる?
すでに色んなメソッドを吸収して来た人たちがいて、当たり前だけど自分が学んだそれぞれのメソッドを1番だと思っている。
そんな日本で批判なく、どこか一つのメソッドに統一できるとは到底思わない。
そして何より、今の先生達は資格なくとも子供を育てるという観点では世界的に見ても結果を出してる人も多い。
だから、視点をその子供達の将来の受け入れ先、お金を稼ぐという意味での就職先という方向に変えて、議論がなされていく方が未来につながるんじゃないかなと思う。
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