ダイバシティ。多様性。最近よく使われる言葉。
日本でも日本人と外国籍の人の結婚が多くなって、いろんな肌色の日本人がメディアで活躍するようになってきている。
黒人と日本人、白人と日本人、アジア系の人たちと日本人の子供達は皆、海外に住んでいても親が希望すれば日本人になれるし、片親の国籍次第ではもう一方の親の国籍も取れる。
また、それだけじゃなくて、外国籍の親の元で生まれたけれど、帰化して日本人となる人たちも増えてきている。
だから、黄色人種だけが日本人じゃない昨今。
フランスに住み始めて分かったのはフランス人と一言で言っても30年前のように白人主体の国がフランスなのではなく、今はいろんな肌の色のフランス人がいるということ。
特にパリ。オペラ座(ガルニエ)近くや15、16区などの高級エリアは上品そうな白人系フランス人ばかりだけれど、例えばパリ13区や19区の特定の地域を歩いてると、ほぼアラブ系、アジア系、アフリカ系の人しかいない。
そこでは白人系フランス人はマイノリティ。
パリ郊外のフランスの歴代の王達が埋葬されている教会があるサン=ドニというエリアでは基本的にアラブ系、アフリカ系のイスラム教徒しかいないように見える。
でも、フランス人。
宗教、言語、食べ物全てにおいて白人社会で成り立ってきたフランスの文化とは異なる人たちだけれど、移民でフランスに来た結果、フランス国籍を得てフランス人となった。
一方で日本は。
基本的には今でも目は黒、髪も黒でストレート、肌の色は黄色、というのが共通認識なっているように思う。
でも、実際は、いろんな日本人がいる。
片親、または両親が白人系なら髪の色も茶色、目の色も茶色や青に近い人もいるだろうし、片親が黒人の場合は、黄色人種とはまた違う色の場合もあると思う。
※※※
成人後も日本とヨーロッパの二重国籍を持つ私のかつての友人は、片親が白人系。(ちなみに彼女の日本人の方の親は日本人パスポートのみで海外に50年間住んでいる。日本人の意識がとても強く、生き方においても尊敬できる方。)
そのため、彼女自身の外観はスーパーモデル並みの容姿で、目の色もいろんな色が混ざっている。
私と並ぶとその差は歴然で、スーパーモデルの横に、チビのぽっちゃっりが並んでいる状態。
高校生だった私たち。一緒に鏡の前に立って身長比べをしていて、彼女は改めて驚いたように
「Yoshikoの太腿、信じられないくらい太っい!」
と叫んでた。
事実だったし、彼女は本当にモデルもやっていたので本気でそんな太い脚が存在する事に驚いたらしかった。
日本で生まれ育った日本人ならきっとそんな事は口に出さなかったと思うけれど、外見も考え方も完全にヨーロッパ人で、当時、彼女は日本語が話せなかったから英語で「片親が日本人」と言っていたのだけど、どこに日本人要素が?と思われるくらいヨーロッパ的な顔立ち、身長、スタイル。ものすごく美しかった。
言動や行動が完全に現地の国の人で,30年前、高校生当時の私が思う日本人要素は全くなかった。
そんな彼女だけど、大人になって日本語が話せるようになり、徐々に日本の文化を学んでいった。
日本語が上手くなり、日本に来る度に、
「日本人は私を日本人として見ないのおかしい。私は日本人なのに差別を受けてる!日本は黒目、黒髪しか日本人として認めないの時代遅れ。しかもジロジロ見てくるの!私の国ではもっとダイバーシティがある。」
「私に日本語上手だね、とか、日本語話せますか?どこの国の人?って言ってくる日本人ってすごい失礼!!!今の時代色んな日本人がいるのに肌の色、顔貌で判断するのって完全に差別!私の国では誰もそんなこと言わない。多様性があるから!」
と言うようになった。
日本の国籍があるから、日本人。
考え方も習慣も食べ物も日本で生まれ育った日本人とはかけ離れているけれど、国籍は大人になった今でも日本人(二重国籍)なのだから日本人として認められるべきで、その扱いも日本生まれの日本人と同様に扱うべきで差別されるべきではない!というのは、フランス育ちだけど、習慣も食べ物も非白人系のフランス人の在り方と似ているなぁと最近改めて思う。
彼ら(アフリカ系、アラブ系、アジア系)もフランスにおいて、自分たちはフランス人だから、古来のフランス文化と違ったとしても、フランス人として受け入れたからには宗教も習慣も受け入れられるべき!と言う考えを持ってる。
郷においては郷に従えと言う言葉があるけれど、その真逆。
私のかつてのその友人も日本国籍を所持しているから、
日本はもっと多様性を受け入れるべき!もっとヨーロッパの(自分の)国を見習うべき!
と言う。
多様性ってすごく難しい。
一方で、
ママ友の一人に日本人じゃないけど、私の中で、度々日本人だと勘違いしてしまう人がいる。
そのママ友は日本とは縁もゆかりも無い外国生まれの外国育ち。大学生の時に初めて日本にやってきて、そこから日本人と結婚して日本に住んでいる。
そんな彼女は5、6ヶ国語を話せるマルチリンガル。
外見は白人系のヨーロッパ人みたいだけどそんな事を忘れさせるくらい間の取り方とか、仕草などが完全に日本人。
普通の日本のお母さん。
自分の子供の愚痴を言う時の言い方も日本人!笑。
ある時、彼女と話している時に英語圏の人がやってきたから思わず、
「誰か英語わかる人探してくる!」
と走り出した私。
でも、よく考えたらそのママ友、英語ペラペラだったと言う事に途中で気づいてUターンしたと言うことがあった。
あまり考えずに日常の出来事を話しているから、度々そのママ友が日本語しか話さない日本人だと思って話してる自分がいて、彼女が実家の話をするときに「ああ、そうだった、県じゃなくて国が違うんだった!」と思い出す。
日本社会に完全に溶け込んでいる彼女だけど、外国籍。
そして、日本で生まれ育ち、日本の公立の制度の中で受験を経験している彼女の子供達は未成年ながら日本国籍のみの日本人。
彼女自身、子供達に自分の国の国籍も併せ持たせる事を全く考えてなかったらしい。
方や、
子供時代も含め、人生の90%以上を日本ではない片方の親の国で母国として過ごし、たまに来日(帰国?)しては日本社会の批判をする(コロナ禍での日本批判が凄かった…)日本国籍保持者のかつての友人。
その彼女の子供達も当然のことながら日本国籍保持者。プラス、生まれ育っている国の国籍+父親の国籍の三重国籍保持者。
便利だから。と言う事らしい。
日本人として日本国籍を選んだ場合の片方の国籍を放棄する努力はするつもりはない。
法務省
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06.html
(外国籍離脱の努力…)
だから彼女の子供達も日本人であり、きっとその子供達も日本人になれる。
でも、もし私が将来フランス国籍を選んだら、日本国籍はなくなって外国人として日本に行かなくては行かないといけない。
どんなに日本の事を知らなくても生まれながらの二重国籍者は一生涯、二重国籍のままでいられるし、その子孫も「日本人」になる事が可能。
だけど、自分から選択して後から他国の国籍を取ったらどんなに日本で生まれ育ってアイデンティティが日本人でも日本国籍を失って外国人となる。
それが一般的な今の日本の国籍制度。。。
かつての友人とママ友。
日本語レベルは同じくらい。むしろ外国籍のママ友の方が自然な日本語を使う点では日本人。
日本国籍保持者のかつての友人は日本の教育制度はほとんど何も知らないし、外国の人が使いたがる難しい二字熟語などを会話に使いたがるから話のスムーズ感が欠ける。
二人とも美しい白人系ヨーロッパ人な感じ。
二人とも生まれ育った場所も日本ではない外国。
二人とも受けてきた教育も日本ではない外国。
じゃあ、何が違う?
日本国籍保持者か外国籍か。
日本語が話せる話せないだけの問題ではないし、
見た目の話だけでもない、
日本の心を持っているか否か…???
間の取り方…???
でもそれって何だろう。
日本人って、日本国籍って何なんだろう、国籍って何だろうと考えさせられる海外生活3年目。
#二重国籍 #差別問題
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