ウチは普通のサラリーマン家庭で余ってるお金がない。
周りはお金持ちが多い。
そんなご家庭も多いと思う。
私もサラリーマン家庭でバレエダンサーを夢見て育ったうちの1人。
でも、今と30数年前では話が全く違う。
今はプロになれそうなレベルの子達も多くて日本のバレエのレベル自体めちゃくちゃ高い。
それなのに、日本のバレエ団では最初からは生活できないし、生活できるようになるかの保証もないから海外に出るしかない。
週5、6回のレッスン代+コンクールレッスン代…
正直なところ、バレエはお金がめちゃくちゃかかる。
お金が湯水のように湧いて出る家庭ならまだしも兄弟、姉妹がいるサラリーマン家庭にはとても厳しい。
地元で安いお店教室もあるかもしれないけど、上を目指して交通費のかかる有名な先生のところに移籍すれば、毎月のお月謝も高くなるだろうし、交通費もバカにならない。
その上、バレエの先生からのパワハラも少なくない日本のバレエ。闇が深い…
※ただ、バレエ教室を移籍してもバレリーナ🩰になれるとは限らない。なぜならその子の持ってる素質によるものが大きいから。
私の生徒達はほぼ地元の子だった。
歩いて来れる子達がほとんどの地域のお稽古場。近いから私の教室を選んでくれた。
値段が高い事や物に価値を見出す人も多いけれど、私は可能な限り地元の人達が寄り添えるような教室にしたかったし、そうなってくれたと思ってる。
だから、発表会費もと小さい子は6万円ほどに設定するなど極力保護者の負担を減らすようにしていた。
【発表会費の内訳は下記の通り】
踊り2曲分
衣装代
本番用タイツ
本番用シューズ
その他、全員でシェアする音響、照明、舞台監督さんなどの人件費と場所代(ホール借り代)
この人件費って言うのがメチャクチャかかる。
だから、まともに大きなホールを当日丸一日借りて、人件費を数十人分払っただけでもすごい金額。
前日のホール代、人件費なんかもプラスしたら一回の発表会の総額だけで500万円ほどがかかる。
それをどう工夫すれば保護者の金銭的負担を減らすか考えるのはバレエの先生次第だけれど、先生が考えないと親の発表会費負担が小さい子でも平気でトータル20万円くらいになる。(多分、新品タイツやサテンシューズ代は先生から言われる発表会費に入ってないところがほとんどだと思う。)
私は自分がシングルマザーだったから、母子家庭の子でも参加しやすいように本番用タイツもシューズも発表会費に入れていた。
そうする事で、母子家庭の子ども達でもバレエが身近にあって欲しいと思って。
だから、お月謝も母子家庭割りというのを設定していた。
母子家庭は本当に大変で、片親にかかる負担が半端ない。
それでも、
「子供の教育というのは平等であるはず!」
と言う私なりの思いがあって、親の収入で子供の憧れや夢がお金問題で挫かれるのはおかしいと思ったし、悔しいと思ってた。
でも、コンクールとなるとどうしても別になる。
男子だと「男の子」と言う理由で、コンクールも女子ほどでなくてもチャンスが多い。
でも、女子で、本気でバレエダンサーになりたいとなるとそこは話が違う。
よっぽど才能、スタイル等に恵まれていればコンクールにそこまで出なくてもどこからかチャンスはやってくるかもしれないけれど、日本人女子は自分でチャンスを掴みに行かないと勝手に転がってくることはほぼない。
キレイゴトだけ言うならコンクールに出なくてもバレリーナになる事はできるけど、どうやって海外への扉を開く?
有名バレエ学校と繋がりがあるバレエ教室ならそれなりにお月謝も高いから結局お金が結構かかる。
海外のバレエ学校への道が繋がるコンクールに出場してスカラーシップをもらえれば最高なんだけれど、それもまた難しい。
フランスにいると村に住むその辺にいる子達のスタイルの良さに驚かされる。
骨盤がどうしてそんなにまっすぐ立ってるのー?
何でそんなに首筋綺麗なのー?
手を横に広げて(アラセゴン)何で肘が落ちないの?何で肩が上がらないの?
何も考えず出した手足が長くて美しい子が多いバレエとは関係のない田舎の子達。
そんな子達が多いヨーロッパ諸国や諸外国、たとえ海外にバレエ留学できたとしてもバレエダンサーになれる保障は一切ない。
だから、お金がないと厳しい。よっぽどの才能がある子以外。
100人に1人、1000人に1人か…お金がなくても海外でバレエダンサーになれるのかもしれない。
本当に女子は大変。
男子は世界的にも踊れたら活躍できる場所が女子よりは多いから世界で活躍できる可能性も大。
運を掴むのに海外へ行く。でもそのためにはお金が必要。
才能や身長、スタイルなど全てが突出してある子であればお金がなくてもチャンスは舞い込んでくる。
でも、そこまでのレベルに達してない子たちは自分でチャンスを掴むためのアピールをしていかないと世界では埋もれてしまう。
色んなジレンマが孕むバレエの世界。
どんなに踊れても身長がないと取ってもらえないところは多いし、語学が話せなければやっぱり取ってもらえない。
自分の可能性をどこまで信じるか、自分の子供の可能性にどこまでお金をかけてられるか、それが一番難しい。
バレエの先生も生活するためにはお金が必要だから、生きるための最低限のお金だけでいいという先生もいれば、ハイレベルな暮らしがしたいと思う先生もいる。
だから、お金の価値をどこに置くか、自分が持ってる基準、先生が持ってる基準、それぞれの基準で全てが変わってくる。
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