🩰日本の小学生のバレエはレベルが高い。でも、その後は?人生は続く。

日本のバレエレベルは本当に高い。

フランスに来て2年。

子供達が通ったバレエ教室、自分が通ったオープンクラスを通して思うこと。

日本の生徒はモチベーションだってめちゃくちゃ高くて、今回のYGP日本予選のコンクールの決勝どころか予選を見てもどこの国よりもレベルが高くてびっくりする。だから、結局NYファイナルに行った時に、日本人が上位入賞する割合がとても高いのも頷けるのだけど、それも低学年に特に多い。

つまり、プリコンペティティブ。

誕生日によっては3年生から6年生が出場できる。

そこから少しずつ、海外の子達の方が伸びてくる。

なんでだろう。

元々の身体条件の違い?

多分、それも大きい。

燃え尽き症候群?

バレエを正しくやることである程度のスタイルは作られるけれど、遺伝的要素が0になるわけではない。

やはり西洋人のようなクラシックバレエ向けの長い手足、小顔はどうしたって遺伝的要素が大きくなってしまう。

いつも思うけど、残酷な世界。

好きだけでは通用しない。

努力だけでも通用しない。

元々持っているもの、与えられたものが左右する世界。

そして後は感性。

フランス人は、小さい頃から演劇が身近にある場合が多い。モリエールとか、隣の国に行けばシェイクスピアだとか。

そして日常生活でも家族との会話を大事にするし、大人も子供も自己主張をしっかりする。好きなものはすき、嫌なものは嫌と。

だから国に文句がある時はストライキとか、デモとかで思いっきり抗議。先日は歯医者で予約の時間があるのに待たせ過ぎ‼️と待合室で怒鳴り散らしてる人もいた。

自分の権利は主張する。

それがフランス…💧

たまに…

デモとかで車燃えてたり、

しょっちゅう…

ストライキで電車が止まり、

「子供達の学校給食に温かいものが明日は提供できません。なぜなら給食のおばちゃんのストライキだからです!」とかが普通にある。

日本では考えられないストライキの数々。

理由も様々。なんなら、学校の先生が明日はデモ行進に行くから授業なしという場合だってある。

日本でそんなことしたら、PTAが乗り込んでくると思うけど、ここでは「了解です!あなたの権利ですものね!」で普通に話が通る。

最初はまじか?と思ったけど、今はだいぶ慣れた。

話が外れたけど、そんなフランス。

こんな事が日常茶飯事なんだから感情表現が苦手なわけない。もちろん恥ずかしがり屋な人たちも結構な数いるんだけど、(本屋さんにHSPの本が結構並んでる)それでも日本の人たちよりは湧き上がる感情を表現するのが苦なくやれてるように見える。

クラシックバレエにしても、コンテンポンラリーにしてもいかに自分の感性を表現できるか、表面的ではない、体の内側から湧き起こってくるものを魅せる力がカギとなる。

隣の国だけど、マノンとか、オネーギンとか、マイヤーリンクとかのロイヤルバレエの舞台はまさに演劇!(フランスは2年前にマイヤーリンクが初演だったから今年の舞台はもっと進化してるはず!?)

日本の場合、社会一般で、感情を全面的に出すのは美徳とされない。感情を出さない忍耐強さが素晴らしいと思う反面、大きくなるにつれて従順になる事に慣れていく。

そうすると日常生活の表現が踊りにも影響してくる。

自分の感情を人に伝える事が難しくなってくるのは日本の学校教育の中で芸術感性を伸ばす事が置き去りになってる事も1つのように思う。

よっぽど頭のいい高校や自由を重んじる高校でなければ、工場で全て同じものを作るように、校則という型に子供達を押し込めてそこからはみ出ないように押さえつける。

だから、低年齢で海外に出て技術も感情表現も養ってプロのバレエダンサーになる道筋作らないと受験や環境でキツくなってしまうと、親もバレエの先生も本人も焦る。

フランスに住んで、パリ・オペラ座バレエ学校のバレエ学校の子達のパフォーマンスを頻繁に観に行けるようになって、私が個人的に感じる事は、同年齢の中学校1,2年生くらいまでのオペラ座の子達よりygp japanやJBCなどの決勝に残る日本の子達の技術力の方が圧倒的に高いという事。

同じ歳くらいのラット達(オペラ座バレエ学校の子)は難しい事は一切しないで舞台上で表現力を主に見せるだけ。たまに大きな声で叫ぶ等の練習だったりも入ってくる。

私は個人的にはそのくらいの3,4年生(10歳、11歳くらい)の子達には本当にそれで良いと思ってる。

早いうちから頑張りすぎると、高校や大学受験のように燃え尽きてしまう場合もあるし、自分の身体の成長と向き合えなくなってしまう場合も多くあると思う。

早くに留学し過ぎてホームシックで道半ばで諦めてしまう子もいると思う。

もちろん、神童のような子で周りの大人から注目され続けて、日本にいながら身長も感情表現も技術もグングン伸びる子もいるだろうけれど、私自身の子供の頃から今まで周りを見てきて小さい時に技術を求めすぎて強い筋肉をつけた子達で高身長の子は少ないように思う。

その結果、子供によっては身長の伸び悩みに直面する場合もある。

いずれにしても日本とフランスは環境設備、身体条件が違いすぎるからこれがいいけどそっちはダメって言うのはない。

でも、今後クラシックバレエで生きていく子達が、ちゃんと生活できるように今の大人達が何かを考え出さないと行けない時なのだと思う。

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