YGP日本予選が終わって🩰ヨーロッパのバレエスクールが選ぶ基準を考えた。

結果発表をyoutubeでオンタイムで見てみた。

ヨーロッパの先生達はやっぱりスタイルが良い子が好きだなぁ、と改めて思った。

結局,バレエはスタイル。

顔の大きさ、身長、筋肉のつき方、筋肉の質。

フランスで7歳以下は「バレエ」のレッスンは禁止。

だからちゃんとバレエを学べるのはそれ以降。

その中で、条件の良い子だけが生き残ってバレエ団に入る狭き門。

小さいうちは難しい技術、大人顔負けの完璧な踊りは必要なくて、まだ改善の余地がある子達で成長の余地がある子達が伸びていく。

ヨーロッパで、12歳前後からポアント履くのを推奨するのも筋肉の発達や骨の成長を考えての事。だいぶ以前、生徒を連れてYGPの日本予選に参加した時、ロイヤルバレエ学校の校長先生が表彰式の前に、プリコンペティティブの子達にトウシューズを履かせるのを控えて下さい!と言うお話しがあった。

理由を短く書くと、

成長過程の子供達にトウシューズを履かせる事で成長の妨げになる恐れがあるからと言う事だった。

だから年齢行ってない子が完璧にトウシューズを履くことを求めてない。

その歳で完璧じゃなくてもいいから伸び代のある子が求められる。

だから,今回の結果を見ていて思ったのは結局ヨーロッパのバレエスクールが年間スカラー与えてるのは持って生まれたと言うか、遺伝的要素が強いスタイルが良い子と恵まれた脚のラインを持つ子。

特に女子は。

人それぞれいろんな意見があるけれど、私は個人的に体操のようなバレエは嫌い(競技としての体操は好き)で、それは昔から生徒達に教えていた時にも言い続けてきた。筋肉ガッチガチに付けて完璧な踊りをしてもそこに品がないとバレエじゃないと思ってた。低年齢でトウシューズを履かせるのも好きじゃない。

でも、昨今、日本で行われてるコンクールで入賞する子達は何回、完璧な軸で、ブレずに回れるとか、どれだけ高く足が上がるかとかで上位にいける率が上がっているように見える。

もちろん,基礎あっての事。

でも、本来のバレエはそうじゃないと思ってる。エンターテイメントと言うか、見せ物要素盛りだくさん!がバレエじゃなくてそこにエレガントさとか、物語性とか、出した手足のラインの美しさとかが年齢によって求められるはずだと思う。

そのロイヤルの校長先生のお話後、YGPの規定も変わってさすがにプリコンペティティブでポアントを履く子はいなくなったけれど、今のYGPの流れは見せ物の要素が強いなぁと思う。

アメリカのエンターテイメント要素が強い、サーカス的と言うか、小さい子に求めるレベルがビックリ人間みたい。

そしてお客さんもそれを求めてる。。。

日本はアメリカから影響を受けやすいからコンクールで入賞するためには小さいうちからテクニックも必要。

テクニックをつけると言うことは筋肉もつける必要がある。

小さいうちから筋肉をつけると言うことは筋肉の場所によっては骨の成長を妨げ、身長が伸びづらくなる影響もある。

そして、数年後よく、あの子消えちゃった〜というような話題を目にするけれど、小さな芸達者を求めすぎている大人たちが子供の未来を奪ってる可能性もある。

と言うか、大人の責任。

大人が子供達をゆっくり育てない。

天才をもてはやしてしまうのは、いつの時代でも仕方ない事なんだろうけど、日本の場合は特に物っすごい持ち上げて、ドッカーンと突き落とす感がある。

才能のある子達が伸び伸びと育つような環境にならないといつか、限界が来てしまうように思う。

ここ最近、フランスに住んでいて思うのは今の世界的なバレエの流れ,特にヨーロッパではコンテが主流でクラシックは下火。

そして、身長がないと結局どこかで挫折を味わう事が多くなってしまう。

もっとも、小さくてもヨーロッパで活躍してるダンサーはいるけど、ほんの少数。

福利厚生があるヨーロッパで活躍するためには結局のところスタイル=見た目。と同時にものすごい精神力とアンデオール。

パリ・オペラ座バレエに女子も男子も低身長(女子で160cm以下)のダンサーはほぼいないし(日本人の山本小春さんがかなり小柄!)、たとえ、どこかのヨーロッパのバレエ団に入れたとしても身長問題でコールドで使ってもらいづらい=役がもらえるチャンスが少ない。

技術がズバ抜けて1番でも結局身長問題で入団できない場合もある。

残酷な世界だなとつくづく思う。

短期のスカラーをもらえても、年間スカラーをもらえるのは難しい。

もちろんそこから繋がるチャンスもたくさんあるだろうけど。

以前、生徒のお母さんに、私のバレエに対する信念(体操みたいなバレエが嫌いとか、身長をはじめとしたスタイルがないとバレエダンサーとして厳しいと思うなど)を話していた時に、そのお母さんが、言っていた

「留学経験はお金で買えても、身長はお金で買えませんからね。」

と言う言葉が今でも耳に残ってる。

親子、先生と三位一体となってバレエに情熱を注ぐのは決して悪いことではないし、素晴らしいと心の底から思う。

私もその世界で生きてきた。

長い人生の間で、子供のうちにしか経験できないことはいっぱいあるし、その一つとして集中してバレエに取り組むのは本当に素敵。

でも、私自身が子供の頃、バレリーナになりたい一心で、(自分の当時の先生の指導の下)間違ったやり方を頑張りすぎてムダな筋肉をつけ過ぎた結果、正しい事が何もできてない表面的なバレエを踊る人になった。

そもそもバレエに向いてない骨格だからねじれが原因で取り返しがつかない事になり、結果、太ももが巨大化してしまった。

私はその自分の経験から子供の人生を左右しかねない骨の成長を妨げるほどの筋肉をつける必要はないと思っているけれど、未来のバレリーナと言うか海外留学を目指す子達にとっては数年後の先の事よりも「」の事しか見えてこない。

フランスのように7、8歳くらいでバレエを始めてそこから正しく、クセがなく、無理のない指導の下でゆっくり正しいアンデオールの指導をしながらバレリーナを目指して身長を伸ばせるのならそれが一番子供の未来を考えた時に大切なんではないかと思った。(けど、日本人とフランス人は骨格的条件が違いすぎるからそれでは追いつかない子もいるジレンマ…)

また、練習に打ち込みすぎて睡眠不足で身長の成長妨げになるような行きすぎたレッスンも考えなくてはいけない日本の問題なのではないかなぁと犬に散歩しながら考えたのでした。

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