🩰フランスのバレエと日本のバレエ。骨格、伝統、感情表現が違うから。
フランスバレエは伝統がある。
17世紀、太陽王ルイ14世のバレエ好きから始まって王立バレエアカデミー(現パリ・オペラ座バレエ学校)ができて今に至る。
その時代、日本にはすでに能が国として保護されていた。
2024年現在の日本のバレエは小学生の子達が学べる国の機関がない。
国の機関としては中卒後に入れる新国立劇場バレエの研修所が最近(2001年開設)できたのみ。(高校卒業資格は通信制で取得できる)
だからこそ、日本の個人のクラシックバレエ教室の方がとても充実している。
先生たちも日々努力して生徒の力を伸ばそうとしているから全体的なレベルが世界でもとても高い。
それに引き換え、フランスのクラシックバレエでレベルが高いのはごく一部の私立のバレエ教室、これまたごく一部のコンセルバトワールやパリ・オペラ座バレエような国立バレエ学校のみ。
それでもオペラ座バレエが世界のトップを走っている理由の一つに、バレエの絶対条件がある。
スタイル。
身体的条件、感情表現。。。
つまり、高身長、手足の長さに加え、日常から「ビズ」と言う文化があり、友人達同士や家族など親しい人同士頬と頬を合わせる分かりやすい感情表現がある。
フランス、特にパリを歩いてると普通に道端歩いている工事現場、ゴミ拾いのおじさんたち、警察官、軍隊、駅員さんなど、まぁ、結構パッと目に入る人の足が綺麗な人率が高い❤️
足が長くて、まっすぐ、その上で小顔で…って言う人が見てると多い。
そして、うちの子たちのお友達でバレエとは縁もゆかりもない子達がしょっちゅう家に遊びに来るけれど、腰の位置の高さ、足のまっすぐさに身惚れてしまう⭐️
日本の子達は、私も含めて、バレエの一番ポジションをまともに取るのが難しい子達もたくさんいる。
20年以上、日本でバレエを教えてきた中で、トータル千人くらいの生徒を見てきて、何も言わずにバレエの一番ポジションが簡単にできたのは片手程の人数。それ以外の子達はお尻が出てしまっていたり、足が捻れた状態で一番ポジションをしていたり、私のように全く開かなかったり…
それを分かった上でレッスンを行うのだけど、マイナスから0、0から1の状態に持っていくのは本当に、本当に難しい。
私のバレエ人生で一番ポジションに入れることの難しさを身をもって痛感しているから、とにかく、生徒たちには一番でお尻出さないように、大臀筋、大腿筋を使わないように説明してきた。
でも、多くのフランス人があっさりできる一番ポジション。無駄な筋肉も使わないですらっとできる。
1からプラスαに運ぶのは本当に簡単。(この場合、一番で簡単に立てる状態から先の訓練へ。)
だから、
フランスのバレエは7歳までは「バレエ」の指導はできない。
それまではリトミック的なことに限られるし、パリ・オペラ座バレエ学校のラットと呼ばれる子の内、低学年の子達は声を出す練習、表情の練習を結構やっている。年末の練習発表会などでも年によっては声を出したり、感情表現を見せる。
一方日本は…
低年齢化が進むコンクール…。
誰得なのか、考える必要がある。
そんな年齢でコンクールに出たところで、プロの道は遠い。
自己肯定感が上がる!と言う意見も出そうだが、6、7歳で技術重視のコンクールに漬けになった先に経済面、モチベーション面で果たしてどれだけの子達、保護者が付いていけるのだろう。
同じ人間だけど、持っている条件が違うことで、スタート地点が違う。
日本人は勤勉だけど、西洋の踊りであるバレエの条件を持つ子は西洋と比較したら少ない。それは、オリガ・サファイア(1907年6月28日-1981年6月20日、日本のバレエを盛り上げたロシアのダンサーの1人。)も著書で書いている。
でも、例えばここフランスは条件があっても勤勉、努力、と言う言葉が足りない場合が日本と比較すると多い。
そのことを最近すごく考える。
感情面。
日本人の踊りは生真面目で、表面的に踊っている人が多いのに対して、フランスバレエは時に、演目によっては本当の恋人同士のように見える。
そうでないとパリ・オペラ座バレエを観にくる目の肥えた観客を満足させる踊りはできないのだと思うけど。。。
ストライキ然り、普段から感情表現をものすごく表に出すフランス人…。
とは言え、最近のKバレエや新国のバレエはかなり素敵だと思う。
この二つのバレエ団のディレクターが2箇所ともロイヤルでプリンシパルだった事を考えると表現力も豊かさがあるのは偶然じゃないと思う。
そして、コールドバレエの揃ってる感じはパリ・オペラ座バレエを持ってしても、日本のバレエ団の方が揃ってる気がする。
世界で通用するレベルのバレエ団となると、どっちがすごい、どっちがダメと安易にいうことはできないバレエの世界。
それでもダンサーが、コール・ド・ダンサーでも一社会人として生活できるレベルの福利厚生、お給料をもらっているフランスの方がダンサーとして趣味ではなく、精神面でプロ意識が出ると思う。
ただ、フランスの場合、当然ながら、収入を一般的な企業に勤める人くらいもらえるようなバレエダンサーになれるのはほんの一握りの選ばれし者のみ。
他の人たちは日本人ならもったいない!と言うレベルの技術力であってもキッパリ、あっさりと、バレエの道から遠ざかる場合が多い。(もちろん未練がある人もいるだろうし、個人ダンサーという例外もあるけど、知名度必要。)
そして、普通高校を卒業後は大学等に進学して新たな道を見つける人も多いし、コンセルヴァトワール・パリの生徒などは大学卒業資格を並行して取得する子も少なくない。
一方、日本では、大人になって、プロになり、同じような高い技術や表現力を持っているダンサーでさえ、大半のバレエダンサーはいつもバレエ団以外のバイトなどをしなくてはいけない。
しかも、中卒、高卒の人たちの多いこと。(私も類に漏れず高卒。)
引退後の保証が全くない日本のバレエ界。
そのため、バレエはパトロンがつきものとか、男性への見せ物的な要素で捉える人も少なくない日本のバレエ。
収入が得られないのが常態化すると言うことは、それだけバレエの意味合い自体を下げてしまう可能性があると言うこと。誤解する人たちが多くなれば、多くなるほど、その誤解が世間に広まる可能性もある。
大体バレエが元々はフランスで宮廷舞踊としてルイ14世にとりいる為の貴族文化の中で重宝されたダンスと言うことは一般の日本人にしたらどうでもいい歴史の一部なのかもしれない。
フランスのバレエの事やそのシステムについてまだまだ知らない事だらけだけれど、日本のバレエ界で頑張っている才能ある若いダンサー達のために何かできないか探っていきたい。
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